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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 349

 かってに肉体がアステリアによって動かされて、アステリア同様に五本の指に複雑な術式を組まされながらも、対(つい)となる破滅の舞踏を踏まされていながら、ファウストは自由になる頭で反撃の機会をうかがう。

 名を奪う――知識しかないが【名無しの名】の儀式をするしかないか。

 指が宙をかくと、光の筋が残り魔力の属性を表す色が、作りだした光の筋に滲んだ。右の親指から小指まで赤、橙(だいだい)、オレンジ、ピンク、黄色の暖色系に割り振られ、左からの親指から小指まで青、水色、緑、黄緑、黄色の寒色系に割り振られて、両小指が黄色になることを起点に光と色彩が渦を巻く。

 ゼロの方は、発生している光が黒い渦となり、二つの色彩の渦を吸い込み、反発し、力を反動させた。

 二乗の理(ことわり)を一つが反発させて、マナとユピテルの遺跡が脈動する。このデーロスの理(ことわり)を超えたありえないエネルギー。第三魔法への条件が徐々に揃い始めて、ファウストはゼロにアイコンタクトを送った。

 数時間前、プルートスは言ったのだ。

『……だから、いろいろと俺たちは計画を立てた。二班に分かれて、テロの主犯を見つけ、同時にカーリアを逃がすことにしたんだ。ユリウスが開発したオリジナル魔導があれば、その二つを達成できるってな』

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