書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 183
ティアの秘所からは透明な愛液が溢れ出てドレスを汚す。ファウストはその部分をなぞるように、何度も擦りあげる。
くすぐったさと紙一重の快感が走り抜けて、ティアは無意識のうちに腰を揺らす。
だめぇ。だめなのに。
恥ずかしさと悔しさで頭がおかしくなりそうだ。自分の意思とは関係なく、彼女の肉体は異性の感触を熱望して、子宮を彼の子種で満たす準備を始めている。浅ましく形のいい尻を震わせて、しっとりとした汗が全身を濡らし始めて、どうしようもなく体が火照った。
じれったさと、危機感。心と肉体が真っ二つに相反して、与えられる刺激と口づけの甘さに悲鳴をあげる。
ちがう、ちがうのっ。
なにがちがうのかわからない。ただ、こんなにも一方的に辱められるのは、夜族の血を引いているとはいえ、彼女の矜持と良識が許さない。
せめての抵抗として身をよじり、無理やり唇を引き離すと、お互いの舌と舌の間から唾液の糸がつながった。
あ……あれ。
足の根元に違和感があった。幻痛とはちがう、神経が通い血がつま先まで通っている感覚に、頭の中の霧がわずかに晴れていく。
もしかして!
「ファウスト殿! すいませんっ!!!」
ティアは叫ぶように大声で詫び、勢いのままにファウストに頭突きをかました。
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