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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 399
上位世界で発見した亜神の情報は真っ白な巨岩だった。だが一枚岩ではなく、幾層の岩板が寄り集まって構築されている鉱石の集合体でもあった。それは亜神は完全な存在ではない証左であり、人類サイドに勝機がある証拠。
宝石眼(キュプロクス)と命名された上位世界の探索チームは、上位世界に意識をとどめたまま、無垢なる巨岩を解析して、膨大なプロテクトを突破する。彼らのもたらされた情報は、亜神族すら気づいていない亜神たちの情報であり、復讐の道すら残されていないのか――という絶望を払拭する希望の光であった。
亜神はこの異世界の土を種神がこねて作った土人形であり、【通常】の生殖活動で増えることはない。だが、亜神を亜神たらしめる要素を損なう場合、彼らの存在定義が揺らいで退化する。退化した場合は、この世界を巻き込んだ、自殺衝動はただの破壊衝動に留まる程度になり、天使たちも亜神の存在に引っ張られて、神も天使もこの世界からいなくなるのだ。
種神は亜神を愛している。憎いんでいる。蹂躙して永遠に苦しめたいと思っている。種神の意に沿う形であるのなら、世界を味方にしている亜神であっても、運命がその流れを逆転させるであろう。
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