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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 489

「おい! 話が脱線しているぞ」

 ファウストが鋭い声で指摘すると、ジンはぼりぼりと頭を掻いた。「あぁ、ごめん、千年近くも一人だったから、会話のテンポがおかしくなっているんだ」と詫び「結論から言うと、暗黒種は進化ではなく【退化】を望んでいるんだ。わざと弱体化して進化の伸びしろを無理矢理作ろうとしている……種神は、そんな暗黒種の事情なんて感知していない、自分を楽しませるためにぶち込んだ凶悪生物が、自分の望んだとおりに暴れてくれないって感じさ」
「あー、なんだ? 種神はガキなのか?」

 そこでファウストが想像したのが、河原で石を投げている子供の姿だ。葉っぱで作った小舟に足が当たらず、地団太を踏んで悔しがりながら、石だけではなく、そこらへんにあるものをなりふり構わず投げつけ始めている。

「その可能性が高い。第一世界という無事な根っこを確保しつつ、第二世界を無限ループで何度も壊して再生している。まるで、親や大人にそこそこ隠れて、弱い者いじめをしているいじめっ子さ。しかも、飽きているにもかかわらず、自分で自分を止めることが出来ない。救いようのない存在」

 ククっと、ジンは引きつった笑みを浮かべる。

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