書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 442
ティアはカーラの迷いを気にしつつも、アレイシアとの攻防に終始する。次元刀のスキルで背後に回り込まれても、背中に生えた翼が盾のように広がって攻撃を防いでくれるのが、何度も刃を防いでいるうちに翼の付け根から痛みが走り始めて、付け根のあたりにぬりとした血の感触が背中を伝うのを感じた。
魔力と一体化された黒いドレスが、魔導姫の集中砲火を壁のように防いでくれるのだが、マナを制御する集中力が切れるのも時間の問題である。
ブランクを感じさせない、勇者と魔導姫の連携に加えて、むりやり二人の連携を崩して決定打を討とうとすると、アレイシアが開けた無数の穴から容赦なく魔王が攻撃を仕掛けてくる。
こんな時に、ティアのユニークスキル【月の女神(トリウィア)の手】が使えないのが痛い。相手の魔力に干渉できる彼女のユニークスキルは、アレイシアの次元刀を封じるどころか、魔王をさらに別次元へ幽閉できたのかもしれないのだが、仮定が現実に反映されることはまずないのだ。
「白い北極星」
「黒い北斗七星」
ティアとニーケは魔導姫に放とうとした、星の名前を冠した第三魔法を放つ。白と黒の光が混じり、血のように赤い火花を散らしながら炸裂する魔力の塊を、アレイシアが一瞬で両断する。
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