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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 436

 魔王AIは思考する。
 500年前に下された命令――人類の繁栄に貢献せよと。
 現状、シンギュラリーポイントを経過しても未来は確定された過去を経由するために、500通りの未来に絞られる。だが、その未来もシンギュラリーポイントが下地となることから、結局は一つの時間軸に集約され、並行世界はその瞬間に消滅するも、前後の矛盾が発生しないように、A軸・B軸の世界線の情報も基本時間軸へと集約される。
 それはデーロスという、この世界の特性であることが大きく、地球人類の観点やテクノロジーで解き明かすのは不可能の領域であり、種神の領分であることから、当機体ができることは限られている。
 現状の打破としては、上位世界へと旅立ったキュプロクスのメンバーへの帰還がカギとなるのだが、意識体となった彼らが現実に戻ることは不可。
 探索を諦めたメンバーによる研究が、シンギュラリーポイントまで公に漏洩することなく、維持されるのかも不明。
 新天地の計画も実現する可能性が薄いことから、巨人族の先祖がえりを防ぎつつ、この世界を人類の優位に作り変えることが確実かつ有効な手段である。

「けど。あなたは、自分を邪魔する人間は消そうとした」

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