見出し画像

書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 420

 暗黒種は、謎が多い。
 上位世界にアクセスしても、確定している情報は、その気になればデーロスの全生物を食い殺せる能力を有している。
 空腹を感じたら虚空から黒い触手を伸ばして、獲物を光の届かない深海まで引きずり込んで捕食する。その二点のみであり、彼らの強靭さ、得体の知れなさは未知数だ。

 数百年前に、突然、暗黒種が玉座の間に現われた時は、この世の地獄の有様だった。彼らがなんの意図で、この世界に介入したのか分からず、その存在に圧倒されて、【尊き青バラの血ブルーローズブラッド】の中に、外宇宙生命体の血が流れ込む結果になった。

 生殖機の調整で、暗黒種の血統値は常に1%から5%まで保たれていたのだが、25年前のテロで事情が変わり、生命力があり強靭な子宮を獲得するべく、暗黒種の血統値を10%以上に引き上げることになるも、その決定は事後報告であり、デオンが仲間たちと袂を分かった後であった。
 もしかしたら、アステリアの暗躍かもしれないが、すでにどうしようもない段階だ。しかも追い打ちをかけるようにディルダンの内戦が始まって、巨大企業の会長であるデオンは後手後手の対応にまわることになった。

 一体なにが起こっている?

 まるで、気たるべく日が来たかのように、暗黒種たちが海から飛び立って空を舞っている。
 

#小説
#連載小説
#ダークファンタジー
#ダークファンタジー小説
#オリジナル連載小説


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?