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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 357

「ぐあっ」
「ぎぃ」

 すり潰される。ねじ切られる。抉られる。ちぎられる。引きの伸ばされる。弾け飛ぶ。内側が無残に破壊され、血管がはじけ飛んで、体内の魔菌糸が腐敗し、ファウストの体内で蓄積していたポーションも内部で蒸発した。体内で小さな粒が縦横無尽に暴れ狂い、骨さえも内側から弾け飛ぶ音が響き、血とリンパと色彩豊かな体液が鼓膜を通し脳髄へと直撃する。

 このままでは死ぬ。死んでしまう。

 ファウストは体験したことのない痛みに、魂が砕けそうになった。
 筆舌つくしがたい痛みは、声ではなく舌を震わせて、男たちは白目をむいた。弛緩した肉体が一気に暴行を無力化させて、排せつ物を床に。さらに、血と反吐と胃液の混じったモノが滝となって、二人口からほとばしりびちゃびちゃと音を立てながら肉体を穢していく。

 魔導姫は容赦なく、ファウストとゼロの肉体を破壊し、蹂躙しながら、歪で無様な舞踏を踏む。前の時間とはちがい、術の行使ではなくファウストとゼロの魔力と生命力を搾り取って、二人の肉体の行使を必要最低限にとどめたからだ。
 今、アステリアはファウストが対(つい)で踏むはずだった舞踏と、ゼロが展開させるはずだったマイナスの術式を、自分がこなすべき作業をこなしながら並行して行っている。

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