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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 395

 保守派はデオンたちに「月への移住計画」を持ちかけた。中立派は、自分たちが平穏に生きることができる別次元を探し、新天地を目指すこと。さらには、元の世界へ帰還できるように自壊する原因を突き止め、肉体を改造することを提案した。

 この世界(デーロス)は、どうなっても構わない――意見の一致にデオンは満足した。

 宇宙や航空技術について、自分たちには専門知識がない。
 だが、スキルと魔法と生きる意志が技術を底上げし、デオンに賛同する人外に迫害された人々も、また狂おしく勤勉に励んで、この世界から脱出しようと藻掻き足掻いた。

 こうして初期のマキーナは、宇宙進出を目指して建造された。
 下手をすれば天使や亜神たちに察知されるため、マキーナは小型化されてロケットのように打ち出されたのだが。

「うわああああああああああああ」

 成層圏を抜けるタイミングで、見えない壁に阻まれてマキーナは大破した。
 無人機で探索している時は起きない現象だった。
 調査の結果、生体反応に反応して、成層圏に分厚いマナの壁が形成される仕組みだった。
 その後の実験で、人間も含めた人外たちも、デーロスから脱出できないことが判明した。

 新たな移住地候補として、地底と海底も持ち上がったが、一定の深度を過ぎると、マナの壁が形成されて進行が不可となる。
 計測の結果として、亜神が行動できない範囲は世界が自動的に反応して、マナの壁が形成されるのだ。

 この世界は文字通り牢獄だった。
 

 
 

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