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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 178

 ティアは頭に銃弾を受けても死ななかった。
 首を切断されてもくっつけたら生き返った。
 誘拐されて拷問を受けても、次の日にはケロリとしていた。
 彼女は強靭で回復力が高い肉体に加えて、恐怖と痛覚が極端に鈍い傾向にあった。

 彼女がメガネをかけている理由は、何度も姉たちのおふざけで目玉をくりぬかれた後遺症らしいし、魔法を使うために重要なマナ神経肝じかが再生不可能なレベルまで破壊されたのも、原因を言突き詰めれば異父姉たちによる虐待行為(本人に自覚ナシ)が原因だった。

 イーダスはカーラに縋るように頼んだ。
 どうかティアを頼む。自分を大切にできるように、導いて欲しい。と。
 その頼みは現在に至っても果たされることはない。
 なによりも、彼女自身が痛みと恐怖に鈍いからこそ、彼女は自分を大切にする自覚を育てられないからだ。

 あの種族と交配できるなんて、オルテに来るまで知りませんでしたが。

 閉じた世界で生きてきたカーラにとって【生殖機(せいしょくき)】という、異種族交配を可能にする機材の存在は衝撃だった。お互いの性器を管でつないで、水晶で出来た疑似的な子宮で体外受精をする仕組みらしい。

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