書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 441
カーラは丹田に力を入れて、体内のマナのめぐりを集中させる。ティアのユニークスキルが頼れなっくなった今、この戦いから生き残るカギは戦場で培われたセンスと、プルートスから受け継がれた魔力と身体を使うこなせるかがカギとなっている。
プルートスのように、零した水をリボンのように操る、魔導のセンスと緻密なコントロールを自分は待ち合わせていないが、迷えば即場に首が飛ぶ。
アレイシアの剣から斬られた空間から、魔王の砲台が火を噴き、強大な鋼の剣が圧倒的な力を振るい、魔導姫の多重魔法が空間を削りながら襲ってくる。
「死ね!」
ニーケはもはや、ニーケという生き物となっていった。ティアの姉だった記憶も、母だった記憶もなく、ティアの指示に従ってアレイシアを圧倒させて、背中に生えた蜘蛛の脚を利用したトリッキーな攻撃で次第に追い詰めてくるも、決定的なところでアレイシアは、次元刀のスキルで瞬間移動してしまい、自分たちが追い詰めても追い詰めても、何度も体勢を立て直してしまう。
持久戦になったら、確実に自分たちは負けだ。
彼女たちが、どのようにこの世界を犠牲にするつもりなのかは分からない。そしてティアがこの世界をどうするつもりなのかもわからない。
迷えば死が待っているというのに、慣れない水の魔力で敵の火力の勢いを削ぎながら、カーラは縋るように神に祈る。
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