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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 396

 元の世界に帰還すれば、肉体が自壊する。自分たちを含めた人類が新天地を目指すには、このデーロス事態が障害となる。残る手段は復讐を兼ねた侵略であり、人類によるこの世界の統一だった。

 しかし、人類による一斉蜂起は前回失敗しており、今回失敗した場合は、人類はさらなる辛酸を舐めることになる。

 亜神たちはもう聖杯を作ることができない。おおもとの素材となる無垢なる人間――デオンたちとは違った人体を改造されなかった人間を調達するには、種神に懇願するしかないのだ。
 確かに、デオンたちは接続機(せつぞくき)であったが、生命の樹とゆりかごの素材となった人間たちは、この世界に連れてこられて即座に作り変えられた。

 種神は言った。

『よろしい。だが、われの手を借りても尚、失敗すればこの世界は諦めろ。自らの手で幕を下ろせ』

 デオンたち接続機となった人間たちは、生命の樹の世話とゆりかごを作るために亜神たちと長い時間を過ごした。そこで知ったことや情報を、新たに洗い出して、彼らは自分たちの方針を定めていく。

 亜神たちには種神に自殺プログラムを仕込まれており、この世界が失敗だと判定が下ると、彼らはこの世界もろとも自殺するように設定されているのだ。……その判定基準については、この時点ではまだわからなかった。

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