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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 437

――解(かい)。

 勇者アレンことアレイシアの願いは、みんなを救いたいという抽象的で狂気じみた願いであり、目的を達成するためならば犠牲も必要だと思考する、魔王AIとは絶対に意見が一致することはない。

 マキーナは人類の脅威となる種族を根絶やしにすることで、この世界は平和になり、人類の繁栄に確実につながることを確信している。そして、自分の活動によってなにも知らない人間が犠牲になったとしても、自分に下された命令に反することだとは思っていない。

 だからこそ勇者が現れた。勇者を補佐する魔法使いも現れた。
 魔法使いとされた個体は、新天地の仮説地を真なる世界たらしめる同位体であり、彼女および彼(アステリア)はこの世界と時間を司る鎖であると解析されている。

――現時点で、勇者と魔法使いを排除することは不可能。

 その証拠に、当機体への度重なる妨害行動により、防衛による排除行動を執行しようとも、因果律の修正が確認されて、排除することが不可能であることをAIは学習する。

 人類の繁栄を導くための最適解として、一時的なスリープモードに移行することを決行。
 世間では、魔王は勇者と魔導姫によって封印されたと認知された。

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