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【マルチ投稿】アステリアの鎖_第二十四話【壊己】

「さて、前座として聞かせてもらおうかな? 君は王位継承の儀式で生き残る術を知ったのだろう」

 ティアに問いかけるアステリアは、嗜虐的な笑みを浮かべて末姫の小さな顎を持ち上げる。どろどろとした情念の炎を揺らめかせた緑の瞳が、恐怖で泳ぐ紫の瞳を除きこんで愉悦の三日月を描き、魂の奥底に届くほどの冷気をともなう視線の強さに、言いようのない息苦しさに囚われる。

「賢者の石、一子相伝……教授の部屋で見つけた」
「へぇ」

 苦し気に応えるティアに対して、アステリアは興味深げに表情を緩ませて、次の瞬間にふっと鼻で笑った。
 そして憐れむような顔でティアの顔を見ると、パンッ。と小気味よい音がティアの耳朶をたたく。

「今、君にかかっている催眠を解いた。そして思い出してみると言い、自分の行動がどこまで自分の意思であるかを、クラウディア・ヴィレ・オルテュギアー。君はまだ【生まれてすらいない】」

 なにを言って。

「これは私の気まぐれであり慈悲さ。人間に近い感覚に落とされた君にとって、今、自分の身のまわりの世界が別の色に変わり、別の意味を帯びていく。本当の意味で目を開いた君ならわかるはずだろう」

――まぁ、それで君自身の心が壊れるかは、別の話だけどね。

 無慈悲なアステリアの言葉の端には、噛み切っても消化しきれない苦々しいものがあった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 目の前に赤い水が迫ってくる。
 口の中には、おいしい、おいしいソーセージ。

「あぁ、ティア様。もっと、もっと食べてくださいませ。これはおいしい、おいしい、特別なソーセージなんですよ」

 ソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージィ……ソ、ソ、ソーセージ、ソーセーセッ、ジィ! ソ、背……、じ、胃……ィ、ソ……?

「なんてことを、ティア。なんてことだっ!!!」

 遠くで父が叫んでいる。
 わたしはただソーセージを食べていただけなのに、なにをそんなに慌てているのだろう。

 ソ、ソ、ソ、ソ、ソーセージ、ソーセージソーセージソーセージジジジ……。

 おいしいおいしいソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージ特別な、血のソーセージ味がソーセージソーセージする、ソーセージ人の、ソーセージおいソーセージしい、ソーセージソーセージとくべつ。ソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージソーセージ……。

 イヤアアアアアアアアアアアアアア。
 
 幼いわたしはなにを食べたの?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 自分の持つ記憶は、どこまでが正確でどこまでが捏造なのだろうか。
 アステリアによって解かれた魔法は、頭の中に詰まっていた異物を取り除いたものの、取り除かれた場所が深淵の暗黒となってティアを見つめ返している。

 自分と同じ紫の瞳を持つ幼子は、おいしそうになにかをんでいた。
 ピンクの肉塊を、ひも状のナニカヲ、体中に赤い血をまとわせて、せっかく父が選んでくれた白いワンピースを汚している。

「あ……ぁっん……、おいしい、おいしいぃ」

 とろんとした瞳でひも状の何か口に含んで咀嚼し、床にバラバラになった物体を幼い体に擦り付ける。理由なんてない。強いて言うなら、ただ甘くて良い香りだから、なぜかそうすることが当然のように思えたから。動物が気に入りの匂いを体に擦り付けるような当然とした行為の中で、罪悪感なんて微塵も生じていない。それが、人間の視点ではおぞましい行為だとも分からずに。

「あ……あ……あ……あ……」

 擦り付けるごとに全身に甘い痺れを感じた。
 四つん這いになり、バラバラになった肉塊のパーツを臍に太ももに背中に、全身に擦り付けて、口の中に溢れる甘い血に脳みそが蕩けそうになる。

「やめろ、ティア。そんなことをしちゃいけないッ」

 父の叫びを幼いわたしは聞かない振りをする。
 肉塊の感触全身に感じて耽溺し、性的に近い快感と《《わるいところを》》父に見られている自分に、奇妙な興奮と喜びを覚えている。

 イヤ、ヤメテッ。

「イーダス様、なにをそんなに憂いているんですか? 夜族ナイトメアの血をティア様は引いているんです。この行為は初潮みたいなものですよ。動揺されてはかわいそうです。あぁ、とりあえず一安心しました。このご様子ならば、たくさんの青バラを生んでくれそうですね」

 主治医の男がこともなげに言って微笑ましげに目を細めると、イーダスは絶望的な面持ちになった。吐き気を堪えるように口元を抑えて、濃厚な血の匂いが漂う部屋に侵入し、血まみれの我が子を見る。

 愛しい、愛しい、我が娘。
 自分の存在を、許しを与えてくれた存在が、こんなにもおぞましい行為に没頭しているなんて。

「床にガラス片……。どうやら、メイドが粗相そそうをしたみたいですね。ティア様の目の前でうっかり指を切ってしまったのでしょう。このメイドの今年の血統診断は人間種が70――つまり、極上のエサとしてティア様は選別したのです。メイドの方も光栄でしょうし、夜族の体液は苦痛を快楽に塗り替える作用があると聞きます。純粋な夜族に捕食されると、性交よりも強い快楽に支配されて、自ら肉体を差し出すとも」

 おかしい、こんなのおかしい。
 表情が物語る父の心の叫びが、現在のティアの意識を揺さぶった。 

「しかも魔力の痕跡。彼女はわかっていたのでしょうね。混血晶マーブルのティア様は、対象を捕食する力が圧倒的に足りません。自らに魔法をかけて肉体を引き裂き、ティア様が食べやすいように自分からミンチになったのです」
「やめてくれ、そんなこと聞きたくない! 吐き気がする」

 主治医の言葉を遮る父は、癖のある黒髪をかきむしった。
 父の美しい、翠色の瞳に閉じ込められた【薄汚い化け物ブラネッツ】。
 その美しい檻の中で微笑む自分は、至高の幸福感に顔を蕩かせて、捕食者の瞳で父を見つめ返している。

「おと……しゃ、ま」

 目が合った瞬間に幼い自分はゆらりと立ち上がって、ふらついた危うい足取りで父のもとに向かう。本能に支配された紫の瞳にはよどんだ闇が広がり、無垢で幼い面貌からは、熱っぽい期待を孕んだ初々しいいろ。親子間では到底生じることのない、背徳の気配が足音をたてて近づいてくる。

「ティア、なにを」
「イーダス様、落ち着いてください。ティア様は正常なんです。人間種には人間種としての、強固な倫理観がこびりついているのかもしれませんが、この際はっきり申しますと、イーダス様の常識はティア様はおろか、他の姫君たちにも有害でございます。種族において本能とは切っても切れぬもの、衝動は生きるための意思そのものでありましょう」

 動揺するイーダスに対して主治医は冷静だった。最初は、落ち着かせるようにイーダスを諭そうとするが、思うことがあるのか口調が厳しいものへと変化して、イーダスの背後にまわり羽交い絞めにする。

「な、なにを」
「イーダス様には、ティア様の初めてを務めさせていただきます」

 主治医の言葉にイーダスは硬直する。
 そして次第に、初めての意味が理解すると、聞き分けのない子供のようにじたばた暴れ始めた。

「よせ、なにを考えているんだっ!!!」
「イーダス様こそ、いい加減にしなさい。ティア様のなにを見てきたのですか。ただの自分を慰めるだけの都合の良い道具ですか? 愛玩動物ですか?  ティア様の今年の血統診断は、人間種が25、ホビット15、暗黒種が10、夜族50です。以前から申しましたでしょう、環境の変動により他の血が活性化する可能性があると。夜族50の血が活性化しているのであれば、事前に夜族の特性について学習するべきですし、ほかの種族に関してもあなたは理解を深めるべきでした。あなたはあなたの独善で、姫様たちを人間として育てたとしても、それは姫様たちを苦しめるだけです。もう、いい加減にしれください」
「だからなんだ、ティアは私の娘だ。ちゃんと人間の血を引いているんだ」
「だとしても、あなたがいくら叫ぼうとも、ティア様が【混血晶マーブル】であることには変わりありません。食べられたメイドも光栄に思っていることでしょう。さぁ、ティア様。こちらへ」

 促す主治医は慈愛深く微笑して、末姫がこちらに来るように促す。

「初潮を迎えた夜族は、異性親の手ほどきで性交を学ぶのです」

 主治医の言葉に、ティアの意識が遠のくのを感じた。
 鈍器で殴るよりも、強く、深く、彼女の心を傷つけた。

「さぁ、イーダス様。あなたはティア様の父親として、役目を果たさないといけません」
「やめろおおおおおぉ」
 イヤアアアアアアッ。 

 成長した娘と父親の叫びがシンクロする。
 大切なナニカが壊されて、膝から下が崩れ落ちる感覚。
 ここから先の地獄の映像を、ティアはただ黙って見ているしかないのか。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
 じりじりと近づいてくる幼い娘は、夜族の本能に命じられるまま、この小さな肉体を作り替えようとしていた。
 
 サナギから蝶へと羽化するように。
 ヤゴが蜻蛉とんぼへと脱皮するように。
 オタマジャクシがカエルへと変態するように。
 透明で単純な身体を持つ稚魚が、複雑な模様と臓器機能を携えた成魚となるように。
 
 生きるため、飢えを克服するため、大人となって独力で生き抜けるように、成長を促すための階段を、末姫はみずからの脚で登ろうとしている。

 それが人間種の倫理観に反することだとしても。

「ティア様は、25年前のテロで一気に数を減らしてしまった【尊き青バラの血ブルーローズブラッド】を回復させる使命があります。しかも勇者の特徴である、マンダリンオレンジの髪と紫の瞳――わかりますか? ティア様から生まれてくる子供たちを、国民たちは望んでいることでしょう。まさに勇者の血と王家の血の両方を受けついた、真なる青バラによって、我がオルテュギアーは理想の花園になるのです」
「狂っている。それがお前たちが望む、私の子の成長だというのかっ! 御大層なことを並べているが、こんなのはエゴの極みだ。そこに娘の幸せがないのなら、私は認めない」

 羽交い絞めにされながらも主治医に抗弁するイーダスは、ただなにも知らずに本能に流されるティアが哀れであり、そして醜悪なものに映った。愛情を核とした黒い感情が渦巻いて、近づいてくる小さな怪物に強い怒りが湧いてくる。

「ティアァっ!」

 それと同時に生まれてくるのは、虚しさと諦め。
 脳裡によぎる25年前の、なにもかもが裏目に出てしまった場面の数々。イーダスはいつも自分が良かれとしてきたことが、すべて裏目に出て、失うことを繰り返してきた。自身の正しさが何度も否定されて、尊敬している兄はおろか、ライラに住んでいた多くの人間の命が失われたことも含めて、自分の行いが最悪さいあくを招いてきたことを、重く受け止めて前に進んできたと思っていた。

 だが、それもただの独りよがりだったのかと、ティアを見て絶望感に打ちのめされる。

「あぁ……」

 やがてがっくりとうなだれたイーダスは、翠色の瞳に涙を浮かべて血まみれのティアを見た。
 このまま自分は娘によって汚されて、娘が夜族の女として、この幼い身を落としていくのかと思うと、子供を産むだけの機械になるのだと思うと、気が狂いそうになった。

 イーダスの望みは、人間種の価値観による平穏な日常。
 だが周囲は彼の願いを鼻で笑い、娘の人生を自分たちも思い通りにしようとしている。

『やれやれ、とんだ矛盾だよね。自分だって娘にたいして身勝手な価値観を押し付けているクセに。被害者ヅラも甚だしい』

 遠くから聞こえるアステリアの声に、ティアの意識が震えあがる。
 彼女によって封じられた過去が暴かれて、ティア自身に見せつけられているもの――なぜ父や主治医の感情まで流れ込んでいるのかわからない。

 目の前に虹色の揺らぎが見えて、半分意識がまどろんでいるような奇妙さ。
 過去どころか、まるで過去の世界が自分に流れ込んでいる感覚は、得体のしれない液体を全身に浸らせている恐怖に通じている。

 お父さま、お父さま、ごめんなさい。

 内心で打ちひしがれている父へ、どんな言葉をかければいいのか分からない。申し訳なさから謝罪の言葉を念じていたとしても、自己満足でしかないのはわかっている。だが、直接彼女へと流れ込んでくる、父の重たくて暗い感情に胸が痛くて仕方がないのだ。
 娘への愛情は確かにある、あるからこそ強く憤り、そして虚しくなるのだ。

「……くっ、く」

 イーダスは呻いた。だらだらと流れる涙の軌道が心情を物語り、耐えるかのように奥歯を噛むと、口の端からは血の筋が垂れてくる。

「あ……」

 新たな血の香りに幼いティアが反応した。芳醇な純血種の血が鼻腔をくすぐり、口内に涎があふれてくるものの、彼女の小さな足は父親のすぐ目の前に止まる。

「おっ、とう、さ、ま。なんで、泣いているの?」
「……っ!」

 戸惑う幼い顔。父を案じる紫の瞳。いまにも泣きそうに声を震わせるティアは、まぎれもなくイーダスのティアであり、イーダスはまるで奇跡を見たかのように顔をあげる。

「……あ、ティア」
「どうしたの? お医者先生も、どうしてお父さまを、かかえているの?」

 部屋の惨状をきょろきょろと眺めながら、幼子は自身の身に起こったことを忘却していた。狂気から解放された紫の瞳は、人間種からすれば年相応の微笑ましいものではあり、その一方で、主治医の瞳から見たティアの姿は、まるで成長を阻害されたような不自然さと違和感があった。 

 主治医の手が緩んだ瞬間、イーダスが乱暴に腕を振りほどいて血まみれになった幼い娘の身体を抱きしめる。
 抱きしめられた方のティアは、眉をよせつつも嬉しそうに頬を緩ませた。
 真っすぐに向けられる父の愛情が嬉しくて、自分より優れている二人の姉たちよりも、ティアを優先して案じ、守ろうとしてくれる意志が自分の体中に行き渡っていくように心地よくて。

「お父さ」
「ティアアアアアアッ、ごめん、ごめんなあああああああああぁ」

 イーダスは娘を抱きしめたまま、吼えるように絶叫した。
 ティアは紫の目を丸くしつつ、自分の父親を見上げる。父の顔は、いまや涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっており、肩越しに見えた部屋は血まみれで、自分を給仕していたメイドがいない。それに体中がべとべとしていて気持ち悪い。抱きしめられているから確認できないが、父に買ってもらった真っ白のワンピースが惨憺さんたんたる状態なのはわかった。

 幼いティアの頭の中にあるのは、愛されている喜びと父を案じる気持ち。買ってもらったワンピースの、汚れが落ちない可能性がふわふわと頭の中を飛び交っていて、次に体の汚れをなんとかしたい不快感を感じた。

「体、洗いたい」

 ポツリと呟いた娘の声にイーダスの肩がぴくんと震えた。なにをそんなに過剰に反応しているのか、幼いティアには理解できずにいると、父の後ろにいた主治医が、無理やり作り微笑わらいを浮かべて言う。

「では、湯あみの準備をしましょう。ティア様のお体を清めている間に、部屋を掃除しますので」
「? はーい」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ハァ、ハァ、ハァ……。

 がっくりと床についた両膝の痛みと冷たさが、現実に戻ってきたことを伝えている。血色の失せた唇は青く、紫の瞳は虚ろで白い顔には疲労の影が差していた。

「いや、わたしは、わたしは、そんなこと」

 自分は生理的衝動を生きる意志だと捉えていた。
 受け入れるべき自分の一部であり、折り合いをつけられる問題だと思っていたのだ。そんな自分の甘さを、取り返しようのない過去が嘲笑う。

 本能に支配された紫の瞳が、父と行為をしようとした夜族の本能が、疑問も罪悪感も持てなかった幼さが、なにもかもが気持ち悪い。

「わたしは、わたしは」

 呻くしかできなくなった末姫は、救いを求めるようにカーラを見るも、カーラは未だに目を覚ます気配がない。焼けこげたアマーリエの死骸からは煙が立ち上り、使い魔のフクロウは血だまりに沈んでいる。串刺しになって穴だらけになった人形、プルートスの肉片、壁に貼り付けられたカーリアとサードユリウス、アステリアの傍らには表情のないセカンドがいる。ファウストはどこにいるか分からず、ティアの味方は誰もいない。

――だったら、味方をつくればいいじゃない?

 ふと浮かんだ発想に、ティアの全身に鳥肌が立った。外気の寒さよりも自分の中に内在しているおぞましさを直視したからだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「なかなか興味深い過去だったね」

 白々しいアステリアの言葉に耳を塞ぎたくなる。
 よりにもよって、第三者の視点で暴かれた過去の出来事。
 臓物に体を摺り寄せて、血の海の中で耽溺している幼い自分の姿は、夜族としては正しい姿だと理解しているというのに、頭の芯が拒絶感で悲鳴をあげていた。

 もし父が涙をみせてくれなかったら、もし幼い自分が正気に戻らなかったら、果たしてどうなっていただろうか。ただわかることは、現在のティアは存在しなかった。その一点に尽きる。

「イヤ、イヤっ」

 ティアは立ち上がれずに、自分の両耳を塞いだ。考えるだけで気が触れそうだ。

「いやよ、こんなの嘘よ。魔導姫のあなたなら、記憶の捏造なんて造作もないことだわ」

 ティアは自分が見た映像を振り払うように、小さな頭を左右にふる。記憶の改ざんだと指摘された魔導姫は、眉をひとつ動かすことなく静かに言った。

「君の脳みそは、イーダスによってプログラミングされていた。行動と思考の制限さ。留学先で君が問題を起こさないようにすることもあるだろうが、本音は自分の娘を永遠に自分の娘のままで留めたかったんだろうね。愚かな男さ」
「だから、なんであなたがそんなことまで分かるのよ! もしかして、ユニークスキルを持っているのっ!?」
「半分当たりで、半分外れだよ。私が使用したのは第三魔法【運命神ノルン三翼さんよく】さ」

 にやりといやらしく笑うアステリアから、林檎の香りが立ち上った。

【つづく】

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