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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 439

 魔王が幽閉された異次元は、機械と有機物が融合したおぞましい生物たちで溢れていた。生物たちは突然現れた、巨大ロボットを100年観察し、自分たちに害がない存在と分かると、酸で溶かし捕食しようと試みる。
 これでは、500年後のシンギュラリーポイントまで機体を維持することは不可であり、機体に取りついた異次元生物を定期的に駆除することにした。

 魔王AIにとって解せないのは、異世界生物に対してアレンが無関心であり、彼女はてっきり異次元生物に対する駆除に難色をしめすと予想していた。

 魔王の疑問に、アレイシアは不思議そうに答える。

「蚊とかの害虫を殺すのに、理由なんているのかしら?」

 どうやら、彼女にとっては異次元生物は駆除されて当然の蚊と同等の存在らしい。

【…………】

 彼女の中で、魔王が切り捨てた命と、自分の都合で叩き殺してきた害虫たちの命は同等ではないらしい。命の重さはどこでわかつのかは、魔王マキーナでさえ理解できないが、アレンは自分が命を一番軽視して差別していることに気づかいない。矛盾を気づかないまま、魔王を抑え込んでいる気でいる狂人は、まさに勇者の称号にふさわしいのかもしれない。

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