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日本のKTV(中国カラオケ)に行ってみた


日本のカラオケと中国のカラオケ

中国ドラマの主題歌・挿入歌が歌いたい。もちろん日本のカラオケでも中国曲は歌える(おそらくファンの皆さんの努力ゆえDAMには特に中華ブロマンス関連曲が多い印象)。それなのになぜわざわざ中国のカラオケ(KTV)に行きたいのか?
それはですね…KTVではカラオケの映像が本人のもの(公式MVやテレビ番組の切り抜き、あげくファン作成のYouTube動画など)であることが多いんです。さらにさらに歌手本人の歌声をそのままカラオケで流せるんです!(流さなくてもいい。)
つまり推しの映像を見ながら推しと一緒に歌えるし、自分のつたない中国語を推しの歌声がカバーしてくれるという鼻血噴出システムになっているんですね。まさにこの世の楽園!
そんな極楽浄土を目指し、情報収集をすること早2年。ようやく、池袋のKTVに横店にも一緒に行った同志Zと行くことができたのでした。
最初の訪問は2024年3月、2回目は6月、3回目は8月。

KTVと一口に言っても、日本のいわゆるカラオケボックスのような店舗、あるいはカラオケ酒場?のような店舗(ステージにあがって客全員の前で歌う)、はたまた接待してくれる女性がもれなくついてくるカラオケ付きスナックのような店舗、といろいろあるんですね。それぞれ料金設定も全然違うし、そのお店の安全性も変わってくる。
見知らぬ人の前で歌えるほどの歌唱力はないし、その度胸もないおばちゃんは当然カラオケボックス一択。怖い人に絡まれたくないし、なるべく安い料金でお願いしたい…ということで、良心的なカラオケボックスKTVを長いこと探していました。

K Style(旧店名「逸局カラオケ」)

今回訪れたのは西池袋の中華街エリアにあるK Style(旧店名「逸局カラオケ」)。

6月訪問時もビルの看板は旧店名のまま

KTVへの執念が高まりすぎたある日、参加したとある会でたまたま隣席になった中国出身の方(日本語ペラペラ)に、自己紹介も早々にほぼ開口一番おすすめのKTVを聞くというもはやコミュ障な暴挙にでたおばさん。にもかかわらず、穏やかに優しく教えてくださったのが旧店名の逸局カラオケでした。
店名をググっても知りたい情報になかなかヒットしなかったのですが、2024年になっていくつか情報を発見。
そのおかげでKTVがぐっと身近なものに感じられたし、なにより好奇心が不安に打ち勝ついつものパターンに突入。
以下は、お店の基本情報。

店名 K Style(旧「逸局カラオケ」)
業態 カラオケボックスというよりはカラオケ付きのパーティースペースのよう。そのため日本のカラオケボックスに比べて1室がかなり広い
住所 〒171-0021 東京都豊島区西池袋1丁目36−8 ロマンスビル 5F
開店時間 13時~(店休日不明)
利用料金(すべて1部屋当たりの料金)
平日13時~17時まで1000円/H、17時以降2000円/H(別途ワンドリンク注文が必要)
金土日・祝日13時~17時まで1300円/H、17時以降2600円/H(別途ワンドリンク注文が必要)
※他にVIP料金も設定されているが、何をしてVIPかは不明。部屋の種類?
スタッフ おそらく全員中国人。日本語が話せるスタッフもいるが不在の場合も多い。それでもみんな丁寧に接客してくれるので(時間があれば)、翻訳アプリなどでコミュニケーション可能
・部屋に案内された後は、滞在時間のお知らせなど一切ないので自分たちで時間を管理する必要あり
・料金は法外な要求がなかったので安心

いざKTVへ

初回訪問は2024年3月のとある日曜日。開店時間の13時きっかりにドキドキしながら雑居ビルの5階へGO。

誤解じゃないよ、5階だよ

がらんとしたフロアは人の気配なし(ドキドキ)。いま降りてきたエレベーターと同じ並び向かって右側に店舗入口と思われるシャッター扉を見つける。なんと開店時間を過ぎているのに開店していない!
まあここは中国だからね(違う)…そういうこともあるよねと気を取り直して先にランチをとることに。
そうして1時間後くらいに戻ってくると、ぶじ?シャッターが開いてました。しかし日本のカラオケボックスとまったく違う店内の様子に戸惑うおばさんたち。店内照明が派手すぎる…まだお昼の2時ですよ…。
※その後8月訪問時には暑さ対策なのか、入口が自動ドアになってました。中は見えないし外から開けられない恐怖案件ですが、ドアをノックしたり大声でニーハオ言ったりすると中から開けてくれます。
ちなみに中からはふつうに開くので出られなくなることはなさそう。

近未来サイバースペース?に迷い込んだおばさん

中国旅行で厚かましさを会得した(新能力GET)おばさんは、ここでも無人の店内に乗り込み大声で「ニーハオ!!」と叫んでいると受付奥から若い女性スタッフが恐る恐るの様子でやってきました(ごめんね)。
片言の日本語で教えてくれたことには、なんでも2週間前に日本に来たばかりで日本語はほとんどできないのだそう。店のシステムについては女性スタッフと同志に中国語でやり取りしてもらい、日曜日は17時まで1時間1300円でワンドリンク制とのこと。
日本のカラオケボックスと違って、KTVは1部屋当たりの料金設定が多数派のよう。だからこの場合の1時間1300円は1部屋当たりの料金なので、大勢で行けば行くほどお得になる。

掲示されているのは17時以降の料金。13~16時はこの半額

事前情報と相違ないので「好好」言いながらスタッフに案内された、今回のカラオケ・ルームがこちら。

初回
2回目

ま、まぶしすぎる…。写真はディスコ的な照明を消した、比較的落ち着いた状態。店全体の照明演出もだけど、KTVのパーティー感すごい。90年代バブリーとか言って、日本の若い子にはウケるかも。こちとら日本の中年オタクおばさん2名にまぶしさは不要。
広さはカラオケボックスというより、だいぶ広めのリビングルームくらいある。ソファだけで10人は座れそうだし予備の椅子も使えば、広さ的に20人は入れそう。何度も言いますが、こちらはおばさん(小柄)2名。
ちなみに室内の照明調節も曲の予約も飲食の注文も全部、テレビ画面の横に設置されているタッチモニターでおこないます。エアコン操作だけはふつうに壁にリモコンがありました。

とにもかくにも「无羁」だ!―タッチモニターの使いかた

横店の記事にも書きましたが、私は王一博推し、同志は肖战推し。ってことはすなわち、カラオケルームに入って真っ先にすべきミッションが「无羁」(「陳情令」主題歌)のリクエストであることは言うまでもなく。
曲のリクエストはタッチモニターから。KTVでは日本のカラオケボックスのように複数台のタブレットが手元にあるわけではなく、テレビ画面の横らへんに大きめのタッチモニターが1台固定して設置されています。

テレビの右横にあるのがタッチモニター。テーブルに散乱しているのは持参した歌詞カード

曲の検索方法は以下のとおり。
1.タッチモニター画像左上にある「点歌」をタッチ
2.曲名で検索するなら「歌名」、歌手名で検索するなら「歌星」をタッチ
3.曲名もしくは歌手名をそれぞれ入力していく
文字入力はピンインで。ただし、歌や歌手の名称を全文字入力するのではなく、ピンインの母音を省略したイニシャルを入力します。
つまり王 一博(Wang Yibo)なら「WYB」、肖战(Xiao Zhang)なら「XZ」。曲名なら「无羁」(Wu ji)は「WJ」。入力するごとにそれに合った候補が表示されるので、ある程度入力したら候補から探すことも可能。
お目当ての曲が表示されたら、その曲名をタッチすればリクエスト完了。画面右下のCDアイコンに曲の予約数が表示されます。
ここで注意なのは、KTVのシステムとして予約した曲はそれぞれダウンロードが必要なため、曲をリクエストしてからその曲がテレビ画面に映し出されるまでに少し時間がかかること。初回訪問時は開店直後に行ったせいか(?)、ダウンロードに時間がかかった印象でした。
曲名と歌手名のピンインは必須なので、予習してメモを持参することをおススメします。

モニターまでいちいち行かないといけないのがめんどい

4、5分待ってダウンロードが終わり、ようやく流れてきた「无羁」のイントロに絶叫・涙する我々。うう…来てよかった。大画面で推しとともに歌える空間、プライスレス...(正しくは1時間1300円)。

「无羁」(「陳情令」)。まさに名曲(涙)

しかし、原曲の歌声が流れてこないことに気づき、大急ぎでタッチモニター下部にある「原唱」アイコンをタッチ。すると「原唱」アイコンが「伴唱」アイコンにきり変わり、すぐに忘羨二人の歌声が聞こえてきて一安心。

モニター下部にはその他にもカラオケ音量の調節や、曲の切り替え・一時停止アイコンもあります。また、先に書いた部屋の照明は同じくモニター下部にある「声光屏」で調節可能。我々は間違った操作をして逆にディスコふうのキラキラ照明になってしまいパニックに(スタッフに来て直してもらう。その節はお世話になりました)。なにごとも経験。

このタッチモニター機能はアプリをダウンロードすれば自分のスマホでもできて便利なんですが、設定がなかなかうまくいかないし限られた時間内にスマホ作業をやるのが無駄にしか思えず早々に断念しました。
なので、曲の予約や毎曲ごとの「伴唱」設定のために始終うろうろする我々なのでした。落ち着かないぜ。

ちなみにKTVでは、一つの曲でもカラオケ検索すると何パターンか候補が出てきます(すべて同一曲ではある)。例えば「无羁」を検索すると、まず公式MV、次に南京かタイのファンミ動画(YouTubeから引っ張ってきたと思われる)、3つ目がおそらく陳情令ヒット後テレビ番組「天天向上」におじゃがゲスト出演した際の歌唱動画(これもYouTubeか)の3パターンを発見しました。もしかしたら他にもあるかも。

これは天天向上の「无羁」?

また、歌詞字幕は漢字のみです。なので、我々はいつも自分用の歌詞カードを持参しています。私はカタカナ付き、同志はピンイン付きの歌詞カード。

あとは、ドリンクを注文せねば。
タッチモニター画面左上にある「酒水」にタッチすると、アルコールやソフトドリンクが出てくるので、各自好きなものをオーダー。
しかし初回訪問時は業務に不慣れなスタッフだったからか、30分経っても飲み物がこない。注文したのはミネラルウォーターとペットボトルの清涼飲料。新人さんだからしかたないよねと受付まで行って、またもや「ニーハオ」。すると受付奥で友人と談笑していた先ほどのスタッフが何ごとかと慌ててやってきたので、身振り手振りで注文を伝える。意図が通じたのか、ミネラルウォーターと清涼飲料水を渡されてオーダー完了。ドリンクを部屋まで持ってきてくれないのね。まあ異国だから、気にしない。
ちなみに2回目に訪問した時は、手慣れたふうの男性スタッフで我々以外にも客がいたせいか、タッチモニターからオーダー成功。きちんと注文したドリンクを届けてくれました。
部屋には料理のメニューもあって「東北料理」と書いてありました(写真がなくてすみませぬ)。値段も高額ではなかったから、次は試しになにか注文してみようかな。

とにかく楽しんだ!

曲の予約方法も分かったし、ドリンクも来た(というか持ってきた)し、あとはカラオケを楽しむだけ!
こちらは説明よりも写真でどうぞ。

「天問」(「山河令」)。しかし2回目訪問では…(涙)
「我們的冒險」(「棋魂」)。動画を見る→号泣なので歌いづらい
「風起時」(瑯琊榜)。俺たちの梅先生!!
「不由」(「陳情令」)。8/4の日本ファンミに向けて兄上の曲も練習(歌ってくれよな!)
LAYたまの激ムズ「宝可梦派对」。新曲「Run Back to You」が歌いたかったけどなかった…
「無名」いーぼが何かの番組?歌謡ショー?で歌った動画
これも「無名」。こっちは公式MV
これは正式に発表されている曲ではなく、中国のテレビ番組でカーペンターズ「Close to You」Remix版を歌う、おじゃと「棋魂」の方緒の中の人(韓沐伯)。思いがけない組み合わせ&おじゃがもんのすごくかわいいので我々の定番動画。こんなのもあるんですねー

他にもいっぱい見て歌って、あーーーーーー、楽しかった!
これまでは、日本のカラオケ店で自分たちのデバイスをつなげ動画を流し歌って、疑似カラオケを楽しんでいましたが、それとは全然違う楽しさ!
映画「無名」の主題歌も2バージョンで歌えて大満足。
不満を言うならば、私の第2推し张艺兴の新曲が6月に訪問した時もなかったことと(4月発表の「Psycic」はしかたがないけど、2月に発表した「Run Back to You」くらいはあってもよかった。著作権の問題?)、3月訪問時にはあった「山河令」OP曲の「天問」が6月訪問時にはなくなっていたこと!
いや、「天問」は検索すれば出てくるんですけど、予約ができないんですよ。もともとED曲の「天涯客」はおそらくあのトラブルのせいで検索してもヒットせず。でも「天問」の歌手にはなんの問題もないはずなのに…。なぜ今になって…。機械の不具合による一時的な故障だったと信じたい。次回訪問時には「天問」が歌えますように。

さて

あっという間に2時間ほどがたち、名残惜しくもそろそろ帰りますかと腰を上げる我々。
ここまで店舗スタッフからの時間報告は一切ありませんでした。
気を付けないとあっという間に時間が過ぎてしまう。
だいぶ割安に感じるお会計を済ませ、また来るぞと店を去ったのでした。
支払い金額(2名):3840円(部屋料金1300×2+ドリンク代)。
おしまい。


ここまでお読みくださりありがとうございました!
今回紹介した店舗の他にも、西池袋にはたくさんのKTVがあります。
もちろん冒頭で書いたように我々には不向きなオープンタイプの店舗やお水タイプの店舗もあるでしょうが、なかには良心的な店舗も絶対にあるはず。KTVに関する情報をお持ちでしたら、ぜひコメントでお教えください!オープンタイプも意外とおもしろいかも?
よろしくお願いします😊

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