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考察:藤子・F・不二雄 SF短編集

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藤子先生の裏芸でもあるSF短編集を鋭く解説していきます。
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#マンガ

『ユメカゲロウ』に隠された神秘の力とは?/世紀の大発見④

大発見をテーマに記事を三本書いた。それらに共通するのは、人生を懸けて自説を証明しようと奮…

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宇宙文明が始まった星『ニューイヤー星調査行』/世紀の大発見③

前回の記事では「エスパー魔美」から縄文農耕説という大胆な仮説をテーマとした作品『ドキドキ…

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藤子F先生の若者へのメッセージ!『考える足』/シリーズ・考える①

17世紀フランス。ヴェルサイユ宮殿が建造されたフランスの輝かしい世紀に活動した思想家・哲学…

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人類誕生の物語?『白亜荘二泊三日』/藤子Fの大恐竜博⑦

真夏の「藤子Fの大恐竜博」シリーズ第7弾。本稿では、恐竜時代をテーマとした読切短編を見て…

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愛情が奪われる世界『間引き』/ディープ&ダーク短編集③

「ディープ&ダーク短編集」と題して藤子F先生が、1973年9月~1974年9月の1年間に「ビックコ…

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妻は静かに復讐する『コロリころげた木の根っこ』/ディープ&ダーク短編集②

「ディープ&ダーク短編集」と題して藤子F先生が、1973年9月~1974年9月の1年間に「ビックコ…

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超高齢化社会・食糧問題を予見した『定年退食』/ディープ&ダーク短編集①

SF(すこしふしぎ)短編の名手・藤子F先生は、数多くの連載を抱えながら、読切短編も100本以上執筆した。それらは二つに大別される。 ・少年SF短編 ・異色SF短編 この二つの違いは、簡単に言えば少年向けか大人向けかということ。中身というよりは、作品の掲載誌で判別していく。 「ドラえもん」「パーマン」などの日常ギャグマンガのイメージで藤子先生を捉えていた人が、何かの機会で短編に触れて衝撃を受けるというのは一つのパターンとなっている。 なぜ衝撃的かといえば、内容が読み手の

「ウラシマ効果」とは?『世界名作童話』/藤子Fの浦島太郎②

前回の記事で藤子F先生はSF(少し不思議)なおとぎ話が好きで、よく題材にしているのだが、…

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乱獲される人間たち『絶滅の島』/絶滅動物を救え②

前回の記事で、「ドラえもん」の『モアよドードーよ、永遠に』という作品を紹介した。F先生は…

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息子がヒーローかもしれない?『わが子・スーパーマン』/ヘンテコスーパーマン③

M・ナイト・シャマラン監督作品「アンブレイカブル」(2000)は、自分はもしかしたらスーパー…

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ダジャレかよ!ナンセンス・ヒロイン『スーパーさん』/ヘンテコスーパーマン②

藤子F先生の読切短編の歴史を少しだけ紐解く。 まずキャリアの最初の頃は、ほとんどが読切短…

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非道徳超人が生まれるまで『カイケツ小池さん』/ヘンテコスーパーマン①

少し前に、モラルを失った人間がスーパーマンになったことによる悲喜劇を描いた『ウルトラ・ス…

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パパと娘とDNA。あの名作の元ネタ!『おれ、夕子』/特集:父の日②

『おれ、夕子』「週刊少年サンデー」1976年4月15日増刊 父の日特集ということで、前回の記事…

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老後の藤子不二雄、トキを語りあう!『光陰』/シリーズ・トキノナガレ④

「時間の流れ」についての藤子作品を見てきたこのシリーズも、今回で一応の一区切り。 同じ、時間の流れというテーマでも、「キテレツ大百科」と「ドラえもん」では正反対の描かれ方をしていることを見てきた。キテレツは「たまにはゆとりを」というテーマで、ドラえもんは「時間を大無駄にしない」というメッセージの作品だった。 『光陰』「S-Fマガジン」1976年7月号/大全集4巻 今回は、異色短編の中から『光陰』という作品を見ていくのだが、「歳を取ってなんだか時間の進み方が早くなっていな