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考察:藤子・F・不二雄 SF短編集

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藤子先生の裏芸でもあるSF短編集を鋭く解説していきます。
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記事一覧

「のび太の宇宙開拓史」のプレリュード『ベソとこたつと宇宙船』/藤子Fの未知との遭…

ドラえもん映画の記念すべき第一弾「のび太の恐竜」(1980年公開)は、1975年に「週刊少年サン…

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『いけにえ』を「英雄」と言い換える社会/藤子Fの未知との遭遇②

今年に入って、浅野いにおの漫画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」略して「…

藤子Fノート
2週間前
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正義の少年ではなく、事なかれ主義の老人が『鉄人をひろったよ』/巨大ロボット大暴れ…

藤子作品では、超初期の頃からロボットが登場する。例えば、単行本デビュー作となった「UTOPIA…

藤子Fノート
2か月前
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悪魔に悪魔と叫ばれた男。『メフィスト惨歌』/ちょっぴりホラーな物語⑧

「ちょっぴりホラーな物語」と題して、ホラーテイストで描かれた藤子F作品を調べているが、今…

藤子Fノート
4か月前
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読後の身震いが止まらない!『アチタがみえる』/ちょっぴりホラーな物語②

つのだじろう先生の「恐怖新聞」という漫画がある。僕は持っていなかったのだけど、友人のお兄…

藤子Fノート
4か月前
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【ラインナップ確定!】藤子・F・不二雄SF短編集ドラマ・シーズン2

昨年(2023年)春に藤子F先生のSF短編集が全10作品ドラマ化され大好評を博しましたが、本年…

藤子Fノート
5か月前
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親子が相互理解するためには『親子とりかえばや』/藤子F「とりかへばや」物語 ⑤

12月は藤子・F・不二雄先生の誕生月だが、僕の息子の誕生月でもある。何とも羨ましい限りである。 子供はまだ小学生のカワイイ盛りということもあり、良く自分に懐いているのだが、それもいつまで続くのか・・・と思ったりする。自分の子供時代を振り返ったときに、中学生に上がる頃には、親子関係がよそよそしくなっていたからだ。 子供がいわゆる思春期に突入すると、親と間にはすきま風が吹くようになり、いつの間にかお互いの気持ちをさっぱり理解できなくなっていく。子供が成長するにしたがって関係が

通勤時間は3億年とちょっと『マイホーム』/夢のマイホーム⑤

「夢のマイホーム」と題して、憧れの我が家を求める藤子キャラたちを紹介してきた。 ところが…

藤子Fノート
9か月前
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30年間働き続けた夢の結末『3万3千平米』/夢のマイホーム②

田舎では一軒家が当たり前だったが、都会に出るとそうはいかない。そもそも土地が少ないのに、…

藤子Fノート
10か月前
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6000字超!リーダーシップと独裁の狭間で『宇宙船製造法』/独裁について考える②

今回は仕事におけるリーダーシップと独裁について考察を巡らしてみたい。 ひとえにリーダーシ…

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27年前のオレを止められるか?『あのバカは荒野をめざす』/タイムマシンで大騒ぎ⑮

若気の至り。 正直、慎重派だった僕は、若気の至りと呼べるような経験をしたことがない。予測…

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自分のことを知っているからこそ、信用できないのだ『昨日のオレは今日の敵』/藤子F…

子供の頃から多元宇宙論(マルチバース)が好きだった。科学雑誌Newton(ニュートン)の時間特…

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マルチバースの自分たち、全員集合!!『パラレル同窓会』/藤子Fマルチバース短編集…

本年度アカデミー賞において、作品賞を始め主要7部門を獲得した作品「エブリシング・エブリウ…

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必要なのは、もう一人の自分ではなかったのだ『ふたりぼっち』/藤子Fマルチバース短編集③

もし仮にパラレルワールドが実在したとして、もう一人の自分と出会ったとする。どの時点で分岐したかにもよるだろうが、二人の性格や能力が大きく違っていることも十分に考えられる。 しかしその一方で、どの世界に住んでみても、結局は似たような暮らしぶりをしているかもしれないと思う。運命の分岐点は数多くあれど、自分同士は当然根が一緒なので、同じような選択をしてしまう気がするからだ。 すると、結局のところ、パラレルワールドがいくつ存在しても、自分という存在はどこでも同じような人間である可