かな

色々と抜けてる人です。

かな

色々と抜けてる人です。

最近の記事

  • 固定された記事

菅井 友香さん

僕が彼女のことを知った時には、もうとっくに彼女は歴戦のアイドルだった。 だいたい、2年前ぐらい。 坂道グループ全体に興味を持ち始めて間もないころ、何となく各グループの色が辛うじて見えてきた程度の頃だった。 例のウイルスによりどこもかしこもリモート、自粛、世間全体が落ち着きを取り戻せては居なかったように見えた。 そんな世間に胡座をかき、現実から目を背けるようにただ息をするだけの息苦しい生活をしていた僕は、ぼんやりと乃木坂、欅坂と順番に冠番組を眺めていた。 リモートでの収録、

    • 駅のホームでゲ○を踏む奴は

      既に日付は変わっていた。 いくつかの路線の乗り換え駅となっている某駅に降り立った僕は、その駅の思惑通り乗り換え用の連絡通路をとぼとぼと歩いていた。前に見えた電光掲示板には怖い色で"終電"と表示されていた。 たかだか単発の4時間労働でこんなにも"やせたかなしいすがた"になってしまっているのは、今の僕を「病み上がり」と言うには少しばかり病み上がり切っていなかった所にあると思う。 強烈な眠気に襲われているわけでもスマホを眺めるわけでもなく、ただ空っぽの顔で下りのエスカレーターに乗

      • 親友は証人になってくれるだろうか

        初めてできた友達は女の子だった。しかも2人。 幼稚園に入る1年ほど前、両親が共働きで忙しかったのもあり、僕は日中は保育所に預けられていた(当時"先生ママ"と呼んでいた記憶がある)。
その保育所は個人でやっている小さな保育所で、預けられていたのは僕を含めてたったの3人。その時出会ったのが、僕よりも先にそこに預けられていた2人の女の子だった。
おままごと、ノンタン、ノンタン、おままごと、おままごと、ノンタン、おままごと…基本的にこの2択である。どちらかしかやらないし、他に知って

        • ささくれ

          僕は基本的には「ささくれ」と呼んでいる。 もう一方の呼ばれ方である「さかむけ」は主に西日本、「ささくれ」は東日本で使われる呼び方だそうだ。では、小林製薬から発売されている「サカムケア」を命名したのは関西の人なのだろうか?と疑問に思ったので調べてみたのだが、どうやら小林製薬の本社は大阪にあるらしい。 使い道の無い爽快感を手に入れた。 冬は特にではあるが、夏でも季節を問わず皮膚の乾燥に悩まされている。それが顕著に現れるのが指だ。 プリントを取ったりした際に指が痛む。ふと指を見て

        • 固定された記事

        菅井 友香さん

          ディズニーストアの高台のプーさん

          僕は今、ディズニーストアに来ている。1人で来るなんて生まれて初めてだ。 男だが小さい頃からぬいぐるみなどといったかわいいものが好きで、ディズニー自体にはかなり疎いがくまのプーさんは好きだった。理由は、自分に似ているとよく言われていたからだと思う。 とは言ったものの、プーさんのぬいぐるみを買ったことは無く、来週にネットで知り合った友人に会う時に見せびらかそうと思い、今僕はディズニーストアでうろちょろしているのだ。 ディズニーストアに到着して、まず僕は驚いた。どこにも男

          ディズニーストアの高台のプーさん

          ホワイトデーのビターなトラウマ

          小学生の頃、バレンタインデーというイベントがあることを初めて知った時、僕はとてもワクワクした気持ちになった。果たして自分はチョコを貰えるのだろうか。僕が気になっているあの子は誰にチョコをあげるのだろうか。しかし、そんな思いは担任の先生による「明日はバレンタインデーですがチョコは持ってこないように」という発言によって溶けて消えてしまった。 中学生になり吹奏楽部に所属していた僕は、人生で初めてバレンタインデーにチョコを貰った。しかも9個だ。もちろん全て部員から貰った義理チョ

          ホワイトデーのビターなトラウマ

          何も考えない日

          久し振りに、何も考えない日だった。 最近までずっと忙しかったというわけではなかったが、何かしらやるべき事があったり気になる事があったからか、なんとなく心が落ち着かなかった。 そんな中で今日はなぜか、身体の力が抜けていた。 たまたま目覚まし時計をかけ忘れていたことで12時前に起き、寝ぼけながらテレビを観て、飯を食い、食器の洗い物を済ませ、洗濯物を取り込んだ。なんて事の無い、ただのど平日だ。 今確認したら、今日は思いっきり祝日じゃあないか。なんか、ちょっとだけ損した気分になっ

          何も考えない日

          "生きてるんだから"の重さ

          いつもと何も変わらずにTwitterを見ていたら、ある1人の学生のインタビューの記事を見つけた。 僕と歳が同じで、東北に住んでいる専門学生の方らしい。『震災で両親を亡くした』と言っていたその表情は、どこか楽しそうでも苦しそうでも無いように見えた。 10年前の事は正直そんなに覚えていない。 小学校の帰りの会の真っ最中で、強い揺れに驚きながらも机の下に身を潜めていた。その後に姉と下校した。家のテーブルにたまたま立ててあったリップクリームが倒れていないのを見て、姉弟で騒いでいた。

          "生きてるんだから"の重さ