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孤独した中間管理職を救うグーグルの手法

こんちは!副業社労士まさゆきです
45歳から56歳まで、私は某化学品メーカーの製販研を統括する中間管理職でした。経験から申し上げれば、中間管理職は孤独です。孤独を救う方法は?今日のお話です。

《中間管理職が孤独になる理由》
中間管理職は部下にも上司にも本音が言いづらい、悲しい生き物です。
部下がリーダー職に反対意見を具申することは稀です。怒らせると不利益を被る恐れがあるからです。取引先、工場などの関係部門も同様です。中間管理職の権限は大きい反面、耳の痛い真実・部下の本音を聞きにくい環境に置かれます。

上司との会話はお互い多忙で業績や日常の課題に終始します。関係部門の協力を得るための打合せに忙殺されます。上司と部下、関係部門間を調整に走り回り、気が付けば1日が終わるというのがリーダー職の実態です。

他の中間管理職とも話しますが、お互い時間がありません。ライバル関係であることも多く表面的な話に終始します。

若い部下は育成目的の面談が再々設定されますが、中間管理職には稀です。
本音を話す時間も機会も相手もいない孤独な中間管理職が多いと思います。

そんな中間管理職は、孤独を埋めるための会社の仲間と飲みニケーションします。ここでは上司や他の中間管理職ともある程度本音が言えます。こうして中間管理職の互助組織“Old Boys Network”が誕生します。

Old Boys Network(おやじネットワーク:OBN)
男性中心の組織文化や人間関係などを表す用語。「酒席やたばこ部屋で人間関係ができあがり、人事や仕事の割り振りがそこで決まる」「男性同士の根回しで会議の前に結論が決まっている」等女性のモチベーションを下げる要因として問題になっている

コロナ禍の仕事はテレワークで中間管理職は部下の管理が出来ず気が気ではありません。昭和のやり方しか知らない心は孤立していきます。コロナ行動制限が解除され、中間管理職が部下に「コミュニケーションの為会社に出てこい」という理由の一つです。

加えて残業規制・人手不足への対応やデジタル化…中間管理職、特に50代後半はこの変化についていけません。今までのやり方を否定することになるからです。中間管理職の孤独は会社に悪影響しかありません。

《グーグルの手法が孤独な中間管理職を救う~UFS》

孤独な中間管理職は自ら変われません。「変わっていいよ」会社の助けが必要です。中間管理職を孤独から救う「マネジメントの質を変える」リスキリングとして、グーグルは「UFS」というチェックリストを用い、行動変革を促しています。

リストは、中間管理職を評価のためではなく、行動変革のため作成されています。評価する人はランダムに360度の角度から匿名で選ばれ、結果はマネージャーにフィードバックされます。評価項目をスコア化し評点にします。

(評価項目)
1.上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
2.上司は「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことにまで手出ししない)。
3.上司は、私を一人の人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
4.上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
5.上司は、上司や部下から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
6.上司は、この半年のうちに私のキャリアに関わる有意義な話し合いを
  してくれた。
7.上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる
8.上司は、私を効率よく監督できるための専門知識を持っている
9.私は、上司を他のグーグル社員に勧める

中間管理職は、スコアを改善する為上司や部下と話合い、自ら行動を変えようとします。
この試みを始めてから(2010年⇒2012年)、グーグルマネージャーの平均スコアは83%⇒88%に上がったそうです。また、最低業績のマネージャースコアは70%⇒77%に上がったそうです。
出展「ラズロ・ボック著『ワーク・ルールズ!』(東洋経済新聞社)」

中間管理職は変われる機会を求めています。評価というと抵抗を感じますが、成長の手段と捉えれば変革に繋がるのでは。中間管理職が救われれば会社が活性化します。

こんな手法は如何でしょう?では次回


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