見出し画像

テレワークと労務管理

こんちは!副業社労士まさゆきです。

国土交通省・テレワーク関係府省令和6年発行「令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)」で最新のテレワーク実態を見てみました。

001733057.pdf (mlit.go.jp)

令和5年度、テレワークを実施してる人の割合は全雇用者の16.1%、前年度比2.7%減です。令和5年5月に新型コロナが5類感染症に移行しましたが、テレワーク実施率はそれ程下がらず、テレワークは市民権を得たようです。育児介護をしながら働く人、障害を持たれる人の働き方の選択肢となります。

気になったのは「自身の勤務先では○日テレワークを認めるのが最適か(役職別)」調査です。

棒グラフ青部分は「会社はテレワークを止めるべき」です。総じて50歳以上は50歳未満よりテレワーク拒否感が強い状況です。驚いたのは、管理される側(52.4%)の方が管理する側(39.3%)よりテレワーク拒否感が強いこと(()内は筆者が統計解析)。「テレワークだと部下を管理出来ない」管理する側の拒否感が高い印象でしたが実際は逆でした。

【管理される側がテレワークを拒否する理由】
テレワークのデメリットのレポートを色々見ると、拒否感の理由は以下。
1)長時間勤務になる
 コロナ緊急事態宣言中、上司は、部下の顔が見えず信頼できる部下に仕事を集中させ、長時間労働になる…傾向は今も続いているようです。
2)サボっていると思われていないか不安
 出社時は、雑談していても、席でぼうっとしていても労働時間です。テレワークでは、管理される側の方が「本当に仕事しているのか疑われている」と疑心暗鬼になるようです。
3)評価に対する不安
 対面コミュニケーション不足で「上司が自分をちゃんと見てくれているのか」不安になります。

2)3)は、特に仕事が出来る真面目な人が感じるようです(サボっている人は上司がどう思おうが気にしません)。

【テレワークを前提としたこれからの労務管理】
人手不足の今、育児介護をしながら働く人、障害を持たれる人等の事情を抱えた人材確保のため、テレワークは必要な選択肢です。今後は出社とテレワークのハイブリッド型となるでしょう。
これからはテレワークのデメリットを減らす労務管理が必要でしょう。私案を以下に記します。

1)長時間労働はハードで止める
長時間労働防止の為、夜8時~翌朝6時まで基幹基盤システムを停止する会社があります。従業員の健康が会社の発展に繋がるという考え方によります。テレワーク中の長時間労働はハードで止めなければ難しいでしょう。

2)テレワークに「事業所外みなし労働時間」を適用する
メールにはすぐ反応しないと、電話にはすぐ出ないとサボっていると思われてしまう~真面目な人がテレワーク中感じていることです。「みなし労働時間」を適用し、無駄なプレッシャーを取り除きます。

2021年3月、厚労省「テレワークの適切な導入及び実施のためのガイドライン」もテレワークへの「みなし労働時間」の適用が想定されています。

テレワークで、次の①②のいずれも満たす場合は、みなし労働時間を適用することができる。
①情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におかれていないこと
⇒会社がスマホを貸与していても、従業員が電話に出るタイミングを自由にできるなら①に該当
②随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
⇒会社が1日のスケジュールを事細かに決めて実行させていなければ②に該当する

最高裁令和6年4月16日「協同組合グローブ事件」判決でも「みなし労働時間制」の柔軟な適用に向けた考えが示されました。

「サボる従業員を増長させるのでは?」そんな人は会社でも時間を浪費しています。「みなし労働時間」とは直接関係ありません。

3)「タクス管理」毎週の業務目標を共有、週1回の「1on1ミーティング」で進捗確認
評価に対する不安を無くすため、週単位の業務目標を共有し、小まめにミーティングを実施します。難点は「業務目標を週単位に細分化する」点、ここはAIに任せるべきでしょう。例えば。。。

ミッションを達成するため、①②の工程を細分化し、週毎にマイルストーンを作り進捗管理します。この時、達成状況で翌週以降のマイルストーンを修正する必要がありますが、毎週マイルストーンを修正する余裕は管理する側にも管理される側にもありません。達成状況を入力すればマイルストーンを修正してくれるAIがあれば、実行できる管理方法なのですが。。。

如何でしょうか。ではまた次回

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?