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男子育休取得促進のため業務マニュアルを整備

こんちは!副業社労士まさゆきです。

2023年度の男性育児休業取得率は30.1%と前年度比+13%上昇、男性に育休を利用するか意向確認を企業に義務付けたことが影響しました(8月1日日経より)。
2023年11月、厚生労働省は夫婦ともに育休を14日以上取得した場合、賃金を現行67%から80%給付にする案を示しました。男子育休取得率上昇の追い風となります。
2023年度女性育休取得率は84.1%でまだ差があります。男性取得率向上には「業務マニュアル」の整備が必須です。

育休取得者の業務を引継ぐ時、業務マニュアルがあればスムーズです。ところが、本社や支店のマニュアル整備はそれほど進んでいません。
工場の製造工程ではISO上「作業標準(作業手順書)」が必須ですが、本社や支店には工場のような義務はありません。内部統制監査はありますが、その資料「業務フロー図(大まかな業務の流れを示す)」「リスクポイントと応対する内部統制方法」はリスクヘッジが目的で引継ぎ業務には適しません。

業務マニュアル整備への抵抗もあります。モノ(設備を使い製品を作る)を扱う工場と違い、ヒト(関係部署や顧客)相手の本社支店業務はリアクションが複雑でマニュアル化が難しい点です。もう一つはベテラン営業、「営業スキルはマニュアル化出来ない」と抵抗します(私もそうでした)。

とは言え業務引継ぎにマニュアルが無いと不便です。会社も「現有人員で引継ぎが可能か、補充が必要か」判断するため業務マニュアルが必要、私が考える「業務マニュアルの作り方」です。

《業務マニュアルの必須項目》
業務マニュアルの必須項目は「業務項目」「作業手順」「作業のチェック項目」「チェックの理由」の4つです。“シンプル”“正確”を念頭に、“まず作って、実際の仕事に当てはめ修正”していきます。業務項目に工数(育児休業者がその業務に使っていた時間を割合で示す)を入れます。「チェックの理由」は重要性理解に必要です。例えば「発注一覧表で発注ミスが無いか確認する理由は、後で発注ミスが発覚したら修正時間が足りず納期遅延で顧客に迷惑をかけるからだ」と記載されていれば理解できます。

《ベース資料があれば利用して楽をする》
例えば内部監査資料。業務フロー図は「業務項目」で利用できます。「リスク項目」と「作業のチェック項目」とほぼ同じ、「作業手順」と「チェックの理由」を加えれば完成です。

《想定外の事態への対処方法》
ヒト相手の業務マニュアルでは想定外の事態が発生しますが、その対応を細かく記載する必要はありません。記載すべきは「想定外業務の相談ルート」です。想定外業務への対応の記録が事で「Q&A」としてまとめます。特に、成功体験の「Q&A」は「ベテラン社員の営業スキル」に繋がる行動です。
「業務マニュアル」は「基準職能レベル」、「成功体験Q&A」は「上位の職能レベルを明示したもの、ベテラン社員の営業スキルを明確化したもの」です。

こう定義すると、「業務マニュアル」と「成功体験Q&A」が人事評価の具体的行動基準になります。会社側のメリットは「職能レベルの行動基準を明確化出来る」ことです。従業員側のメリットは「成功体験Q&A」が昇給で求められる職能レベルだと判る点です。リスキリングで取得すべきスキルも見えてきます。

業務マニュアル整備のメリットは、育休取得促進だけではないようです。

ではまた次回


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