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メタボ検診と健康経営の深い関係

こんちは!副業社労士まさゆきです。

メタボと診断され生活指導に苦労している方々、メタボと健康経営は後期高齢者支援金を介し深く関係していることをご存じですか?

《メタボ検診は健康保険組合管掌》
健康保険組合に加入する会社員は毎年定期健康診断を受診します。この時メタボ検診(特定検診)(以下「メタボ検診」)を受診し「メタボ患者もしくはその予備軍(以下「指導対象者」)」と判定されると、生活習慣病(糖尿病、高血圧性疾患、脳血管疾患等)にならないよう「特定保健指導」を受診しなければなりません。

定期健康診断は会社との認識が一般的ですが。法定外オプション検査(以下「オプション検査」)と「メタボ検診/特定保健指導」には健康保険組合が関わっています。

「オプション検査」は健康保険組合が費用負担します。「オプション検査」には、「胃X線検査(胃がん)」「PSA検査(前立腺がん)」「子宮頸がん検査」「乳がん検査」等があり、早期がん発見が主な目的です。

「メタボ検診/特定保健指導」は2008年に始まりました。メタボ検診は定期健康診断時の質問表と検査項目で診断するので従業員に自覚はありません。「指導対象者」とされ生活改善のため「特定保健指導」に呼ばれ初めて実感します。

「オプション検査」は早期がん発見、「特定検診/特定保健指導」は生活習慣病予防が目的です。どちらも高齢化に伴う医療費抑制を目的とした「保健(健康を保つ)」健康保険組合が関わる理由です。「メタボ検診/特定保健指導」は健康保険組合が管掌します。

《特定保健指導実施率改善の為、国は健康保険組合にペナルティを設定》
「メタボ検診/特定保健指導」の課題は「特定保健指導」実施率(特定保健指導を受けた指導対象者の割合)が低い事です。令和3年は24.6%、会社が受診を強く促す健康保険組合でも31.1%です。
医療費抑制の目的を考えると、「指導対象者」減が最も重要です。制度開始時の2008年と比べ△13.8%、高齢化で生活習慣病になる可能性が高い人が増加している点を考えると健闘とも言えますが、ここ数年「指導対象者」の数は横ばいです。

2018年から、国は、健康保険組合に対し「特定検診/特定保健指導」実施率が著しく低い場合、後期高齢者支援金を最大10%ペナルティとして加算することにしました。

(後期高齢者支援金とは)
 後期高齢者医療制度を支える財源の4割(6.3兆円:令和2年度)は現役世代の健康保険が負担しています。健康保険組合の負担は一番大きく、保険料の25%を後期高齢者支援金として支払っています。、「ミサワホームけんぽ」は令和3年度後期高齢者支援金を13億円払ったそうです(ホームページ)。

要するに「生活習慣病を減らして医療費削減に協力しなければ、健康保険組合の財源を取り上げるぞ!」ということです。
実際には、ペナルティの基準が特定保健指導実施率11.5%未満(平均実施率31.1%)と厳しくはない。ただ、健康保険組合が特定保健指導に必死となる圧力になっています。

2021~2023年度支援金の加算(特定保健指導)について (mhlw.go.jp)

《健康経営との関係》
健康経営に取組む会社が増えています。「健康な従業員が収益性の高い会社を作る」「イメージアップ」目的の他に、後期高齢者支援金の負担削減という現実もあります。

各社の健康経営への取組をホームページで見てみました。
・健康チャレンジプログラム受講促進
・禁煙啓蒙活動
・歩数計アプリを導入し、月間歩数の上位3名に手当を支給
・食堂に、健康増進を目的とした豊富なメニューを用意
・40歳以上の従業員は、健康診断の結果を常時確認できる
・健康へのアドバイスを提供

後期高齢者支援金には「支援金負担を減らす項目」もあります。主な項目は下記。
◎被扶養者(家族)も含め「メタボ患者もしくはその予備軍」を減らす事
◎喫煙者削減
◎従業員への健康作り取組の促進

「健康経営」と「後期高齢者支援金」そして「メタボ」深く関係している事が判ります。

ではまた次回

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