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文化の源流である自然を育む。100人の山守とSATOYAMAをつくる“aeru satoyama”──シェアビレッジの村紹介

2020年12月末にβ版としてリリースしたコミュニティづくりの民主化を進めるプラットフォーム「Share Village」がいよいよ2021年4月にリリースします!

記念すべき第一弾の村としてリリースしたのは、楽しく伝統が次世代につながるSATOYAMAを育むための“aeru satoyama”。

aeru satoyamaは、どんな村をつくろうとしているのでしょうか。立ち上げの経緯から、村の展望についてaeru satoyamaの村長、和える代表の矢島里佳さんに聞きました。

次世代に伝統をつなげるために、文化の源である自然に関わる

──まず、自己紹介をお願いします!

和える代表の矢島里佳です。和えるは、『先人の智慧を私たちの暮らしの中で活かし、次世代につなぐこと』を目指し、次世代に伝統をつなげる仕組みを創出するために設立した会社です。

最初に立ち上げた“0歳からの伝統ブランドaeru”は、日本全国の伝統産業の職人さんとともに、生まれたときから大人になっても使えるオリジナルの日用品をお届けしています。この他、様々な方向から伝統を次世代につなぐための事業を展開してきました。

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──伝統を次世代につなぐための事業を展開してきた和えるが、SATOYAMA事業を立ち上げようと考えたのはなぜなのでしょうか。

SATOYAMA事業は、和えるが創業したときからいつかやりたかった事業なのです。

創業からまず10年は、和えるを創業の想いからブラさずに存続させることを大切にしてきました。それは和えるの精神的、哲学的に育まれていくこと。和えるは、売上を追求するために生まれたわけはなく、日本の伝統を次世代につなぎ、美しい社会を実現するために生まれました。

その価値観を大事にできる経営のあり方を大切にしてきました。10年経った今、そろそろ、次のチャレンジができるなと思ったのです。

──SATOYAMAは、どのように伝統文化と関わってくるのでしょうか?

日本のオリジナルな伝統とはなにか?を考えると、自然につながります。日本は、地理的に文化の終着駅と呼ばれる国です。一つひとつの伝統産業品はどこからやってきたかをたどると、そのルーツは世界各国にある。

各国からやってきた技術を、日本の気候や風土、色彩感覚などと和えてきたのが日本の伝統文化の歴史。技術の基礎は由来のものかもしれませんが、自然環境や季節の移り変わりは日本オリジナルなはずなんです。

日本から四季がなくなると、今のように季節ごとの衣類や日用品は必要なくなり、衣替えという文化も消えていきます。そうなれば、経済にも影響が出ると思います。文化と経済は両輪でつながっている。それぞれが育みあっているのです。

文化の源の1つは自然界なのです。伝統産業品の多くの原材料が山をはじめとする自然界の恵みから生まれています。和えるは、文化の原点としての自然に関心を持ってきました。

──それでSATOYAMAを?

はい。日本の伝統産業品の多くは、山の恵みから生まれてきていることに気がついたものの、日本の伝統産業品の原材料の多くは、海外からの輸入に頼りつつあります。

伝統産業品の元となる原材料供給の問題を解決するには、“山”の生態系と“経済”とのつながりを、つむぎ直さなければならない、という結論に至りました。

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遊ぶように、100人の山守と一緒にSATOYAMAをつくっていきたい

──aeru satoyamaは、どのような事業なのでしょうか?

aeru satoyamaは、秋田県の五城目町にあるSATOYAMAです。まずは小さな面積から始めますが、毎年少しずつ、山のお世話ができなくなった方々から山を譲り受け、面積を広げていく予定です。

五城目町で農林業の会社を経営されている、四代目よざえもんさんと一緒に活動します。よざえもんさんは、山が荒れ、川が荒れ、海が荒れ、生きる力が弱まっていることに強い危機感を抱いて、なんとかしようと立ち向かっていました。

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けれども、私たち和えると、よさえもんさんだけでSATOYAMAを育むのでは、まだまだ十分とはいえません。そこで、Share Villageを通じて、楽しく伝統が次世代につながるSATOYAMAをともに作り上げてくださる、100人の山守を集めることにしました。

──山守、ですか。

はい。山守は山をお守りする人のこと。aeru satoyamaの山守会員になってくださった方々と一緒に、楽しく豊かなSATOYAMAを育んでいきたいと考えています。

山守会員のみなさんと共に、aeru satoyamaを遊び場にしたり、第二の故郷にしたり、様々な活動を実施していきたいと思います。

山守会員となった方には、毎月1回、旬な美味しいお便り便や漆器の器をお届けしたり、貸し出し予定の「aeru satoyama house」の宿泊権を毎年1週間分プレゼントしたり、SATOYAMAに植樹した木のネーミングライツ権を付与したりしていきます。

集まったお金は透明性ある形で運用しながら、SATOYAMAの生態系を豊かにしたり、アトラクションのような遊び場を一緒につくり上げていくことで、大人もこどももワクワクしてやってくるテーマパーク=宝の山に育てていきたいです。

──楽しい活動になりそうですね。

はい!とっても楽しみです。aeru satoyamaで大切なのは、森林保全活動ではないということです。楽しいから、面白いから、SATOYAMAに関わろうと思ってもらえる。自分が楽しくてしていた活動が、いつのまにか社会のためになっている。そんな循環を作っていきたいと思います。 

例えば、aeru satoyamaではクマのキャラクターが森の中でダンスショーを開催したり、山に入る人はクマの耳をつけて自然と人間の境目を越える小さな工夫をしたり、遊園地で流れるような楽しげなSATOYAMAのテーマソングを作曲したりと、活動を楽しむための工夫を凝らしていこうと考え中です。

秋田県には教育留学制度があり、転校・移住せずとも五城目町内の小中学校に通えます。この仕組みも生かして、aeru satoyamaを遊び場にしながら、都会と田舎の2拠点で子育てすることも夢ではありません。

──夢が広がりますね!将来、和えるのように山を持っている会社で働きたいという人が増えたらいいですね。

SATOYAMAに泊まる場所をつくって、食料や水などを確保しておけたら、山がベーシックキャピタルのようになるかもしれません。もしかしたら、近い未来では就職先を選ぶときのランキングの上位には、山を持っている企業が入るようになるかも。私たちの活動は始まったばかりですが、未来を妄想しながらいろいろな可能性を楽しく実験していきたいですね。

みなさん、ぜひ一緒にaeru satoyamaの山守をしませんか?

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aeru satoyamaの山守に関心のある方は、ぜひこちらのページから詳細をご覧ください!


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