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【告白】マーケターですが、競合に目を向けなくなりました

こんにちは。

マーケター&シェアラーあちです。

マーケターの最初の仕事といえば、3C分析!

3C分析とはマーケティング環境分析のフレームワークで、3つのCはそれぞれ下記3つの言葉の頭文字です。

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)

アサヒビールマーケティング部時代には、これら3つを分析して抜け漏れなくマーケティング環境を把握し、勝てる戦略を練り練りするということを何度も繰り返してきました。

市場動向については、毎月ごと、四半期ごと、半年ごと、1年ごとの数字を、データベースや業界情報からチェックしてデータとして貯めていった。

顧客動向については、年に数回行う大規模調査の結果を時系列で注意深く追っていて、競合ブランドや自社商品の調査では個別の商品や顧客のインサイトへの理解をぐんぐん深めた。

競合調査については、日々業界紙やHPでチェック。お客さんのフリをして、競合会社のお客様相談窓口に電話をかけることも多々あった 爆

特にこの競合の動きについては、親の仇!のような気持ちで追っていて(笑)、時間はともかく、相当な意識量を使っていた自覚がある。

それでいて、今考えてみると、その情報はあまり生かされることはなかった・・・^^;

他社が新ブランド出してきたからといって、自社ブランドを微修正することはなかったし、

他社が私の企画と同じ景品をつけてきた時は、「真似しちゃって、情けない!」と蔑むことはあっても(←どんだけw)、次の企画を考える時に考慮に入れることはなかったし、

他社がぐんぐん売上を伸ばしてきたからといって、コンセプトを真似たブランドを出そうとは思わなかった。
(その背景にある顧客ニーズにはもちろん注目したし、その市場性は商品戦略にもちろん生かした。「いかに異なるコンセプトを出すか」ということに。)

結局私がやっていたことは、競合他社がどう出てこようが、何をしようが、「届けたい顧客にジャストフィットする商品を、プロモーションを、ひたすら考え抜いて、それを最後まで諦めずに実行する」ということ。

じゃぁなんであんなに競合を意識していたのか?

それは、
「マーケターなら知ってて当然」という会社内での役割の1つであったし、
自分の意見を通していく時に、判断材料として必ず求められた視点であったし、
「私が社内で一番早く、一番豊富に情報を持っていなくてはいけない」という自分で自分にかけた強い圧
だった。

そしてそもそも、この大前提として、
「競合を知らないと、非常に戦いにくく勝ちにくい戦場で戦っていた」ということがある。

大手ビール会社って4社しかないしw、分かりやすくシェアの世界だから。


その後、私は独立した。

身に染みついていた3C分析を、クライアントのみなさんと丁寧にやった。

■自社(自分)分析・・・過去の経歴、実績、エピソード、ルーツ、強み発掘など
■顧客・市場分析・・・クライアントの顧客に対する理解を深めるため、インタビュー形式で5人以上へのヒアリングを行ってもらい、文字起こしをして、共有・分析。
■競合分析・・・競合調査フォーマットをオリジナルで作成。そのフォーマットを使いながら競合調査の方法を動画講座にして配布。記入してもらった競合調査シートを共有・分析。

このうち最も面白くなくて、最もこの後に生かしにくいのが競合分析だと、何人ものクライアントさんとやっていく中で気づいた。

いや、もちろん、メリットも2つあった。他社・他者との違いが明確になること。それを受け入れるきっかけになること。ニーズの大きさがなんとなく分かること。

でもこれは、顧客・市場分析の中でも明確になることなのだ。

競合分析にかける時間・労力に比べると、ちっぽけなメリットだ。

そしてアサヒビール時代と同じく、競合がどうあろうと、何をしてこようと、結局やることは、「届けたい顧客にジャストフィットする商品を、プロモーションを、ひたすら考え抜いて、それを最後まで諦めずに実行する」だったんだ。

もう1つ、クライアントを深く理解し、クライアントの顧客を深く理解し、両者のマッチングから生まれてくるコンセプトは、勝手に唯一独自のものになった。唯一独自の言葉になった。

だから、そこには敵はいなかった。だから勝つ必要もなかったし、勝とうとする意識も必要なかった。

そして私は競合を意識しなくなった。
競合分析のやり方を伝えて、やってもらうこともなくなった。

その代わり、ひたすらクライアント(事業者)とその顧客を見つめるようになった。

もう競合を見ることはほとんどなくなった。

たまに見る時は「競合を見張るため」ではない。勝つためではない。出し抜くためではない。

参考にするため(たとえばApple社を見るような感覚で)。
競合を鏡合わせとして、自分たちの特徴を知るため。


その後私は、企業のマーケターとして実務にも関わることになった。
一番最初にやったことは、仮説を立てた後のヒアリング。

ヒアリングの項目として、やっぱり競合についても聞きましたよ。

でも、「ここかーーー」というズバリの競合に当たるものは、ほんと、何も出てこなかった。

理由は2つ。

1 オリジナリティの非常に高い事業を展開していたから

2 ヒアリングした顧客が全員イノベーター、アーリーマジョリティだったからw
(いろんなサービスとじっくり比較して、吟味してから買う人たちではなく、市場にまだ普及していない、コストが高い製品やサービスであっても、自分の価値観に合致したモノであれば購入し支えてくれる人たち)


だからますます競合に時間とエネルギーを向ける必要がなくなった。

その分何をやっているのかというと、

顧客を見る、
提供内容などの事業そのものを見る、
顧客と企業の接点を見る、
顧客からにフィードバックを求め、受け取る、
分析し、共有し、次の一歩のヒントを得る、
それをヴィジョンに向けて実行し、やり切る、
そこでの顧客の反応を見る、
フィードバックを求め、受け取る、
(以下延々繰り返し・・・)

もう、シンプルにこれでいいんじゃないかなぁ

競合にエネルギーは注がない。
自分が実現したい世界と、それを共に実現したい顧客と、そこに向かい続ける自分たちにエネルギーを注いで、循環させる。

これでどんどん拡大している^^

そうそう、あと、そもそも私は戦いが好きではなく、戦争用語を使いたくないというのもある。

じゃぁ、そう進めた結果として、ほぼ同じターゲットに、ほぼ同じコンセプトのコンテンツを売って、同じマーケットの競合となってしまうことがあったらどうしたらいいのか?

だったとしても、それを提供している事業者はだいぶちがう個性で、ルーツで、あり方なわけで、提供物が「サービス」だとしたら、集まってくる人は結局類友だから実際問題ないです(キッパリ!)

ですが「商品」だとしたらどうしましょうか?
誰が扱っても同じですものね。

ここに私は2つの答えを持っています。

同じビジョン、同じターゲット、同じコンセプト、同じ商品、同じ〇〇・・・何から何までそんなに同じなのだとしたら、もう戦ってる場合じゃないのではないですか?一緒にやったらどうでしょう??←本気

自分と顧客を突き詰めていった結果、全く同じビジネスが生まれるのだとしたら、これはよっぽどのことです!まさにシンクロニシティ!!

これが1つ目のこたえ。

もう1つが、それぞれのコミュニティで売る。すなわち、売り場を変えるということです。これ、私の身の回りでも現にバンバン起こってますよ。

今日ちょっと覗いたあるオンラインイベント。

全く無名の人が開催しているイベントでしたが、そのコミュニティに所属している人が70−80人も集まっていて、とても驚きました。

同じコミュニティに属しているという共通の価値観が、ベースの信頼と安心をこれほどに高めているんだなと「想定外」を感じた出来事でした。
(マーケターはやたら想定外を大切にします。そこにはいつも、自分の感性を超えた何か大きなヒントがある^^)

 今日はだいぶ長くなりました(笑)
また明日お会いしましょう💕

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