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自律分散型でコミュニティが 成長し続ける5つのポイント。100人カイギを例に。

シェア街主宰の柚木です。
みなさん100人カイギはご存じでしょうか?

私が100人カイギを知ったのは2019年ごろ、なんだかFacebookのイベントで、●●区100人カイギというのをやたらと見るなー、と思ったのが最初でした。

その後、自分の活動拠点である台東区100人カイギが立ち上がることになり最初のゲストに呼んでもらった時にいろいろとお話を聞いて興味をもち、自分なりに仕組みを研究するようになりました。

そして今回、台東区100人カイギの発起人の蓮井さんにあらためてお話を聞きましてさらなるすごいところが見えてきました。

まず、100人カイギがすごいポイントとして、「地域」という絶妙な切り口で切ったコンセプトや、クリエイティブの質の高さからもくるブランド力もあると思っています。
ただ、これらの点は再現可能性という点ではやや難しい点もあるように思います。

このため、今回この記事では、100人カイギを例に一般化して、再現可能性の高い仕組み、マネをすれば誰でも一定のコミュニティができる5つのポイントを紹介したいと思います

運営者がどんどんと増え、自立分散的に、同時多発的に広がっていく、そんなコミュニティをつくりたいと考えている方の参考になればと思います。

100人カイギの概要

まずは簡単に100人カイギの概要を公式サイトより引用して説明したいと思います。

「100人カイギ」は、街で働く100人を起点に人と人とをゆるやかにつなぎ、
都市のあり方や価値の再発見を目的とするコミュニティです。
ルールは簡単。
毎回、身近で面白い活動をしている5名のゲストの話を聞く
ゲストが100名に達したら解散する
100人100様の生き方に触れることで、いつもの景色が少し違って見えてきます。

ルールをちょっと補足して言い換えると
・毎回やることが決まっていて、5人の面白いゲストを呼ぶイベント
・そして、それを20回やってゲストが100人になったら解散
というやることが決まっていて、終わりのあるプロジェクトになっています。

また、イベントを主催するのは、100人カイギを企画・運営したい!と手をあげた有志メンバーで、100人カイギ運営本部的な人ではありません。

イベントのプロの主催者が自らやるのであれば良いイベントをすることは、簡単ではないですが、できると思います。

100人カイギのすごいと思っているところは、イベントのプロではない有志メンバーたちが、イベントの運営者になっていき、自立分散型で、同時多発的にコミュニティが広がっている点です。

誰でもできる。徹底的なフォーマット化

イベントって簡単にできちゃいそうなのですが、実はイベントをやり続けるのは意外と難しいです。
特に難しいのは、集客すること、そしてそれを続けることです(そもそも集客できなくても良いって人や、人がいなくてもやり続ける鋼のメンタルがある人は大丈夫です)。

その結果、自分の周りには、1回で手間がかかり過ぎて燃え尽きたり、企画したけれど集客ができずにやめた人も多く、やり続けている人は本当のプロばかりになっています。

ちなみに、やめた人も、イベントを自分でゼロから企画するぐらいなので、面白そうな企画もたてられて、それなりに集客するSNS力や友人もいる人ばかりです。それでも、やっぱり意外と難しいんです。

とはいえ、プロしかできないとなると、イベント主催者が増えない
そうなると、自立分散型で、主催者が自らやるのではなくて、参加者が運営者になっていくようなモデルで、イベントを増やそうというのができなくなってしまいます。
これに対して、例えば、プロを育成しようと●●学校的なものが開催されていて、これも一つのアプローチだと思っています。

しかし、100人カイギは、主催メンバーをイベントのプロにすることなく、この問題を解決できているのがすごいと思っています。
それは、イベントの徹底的なフォーマット化です。

どのぐらい徹底的かと言うと、すでに当日の進行スライドやマニュアルなどが準備されていて、以下のように公式サイトに公開されています。

このフォーマットのすごいところは、イベントをやる上で悩むところは、ほとんどすでに決められているということ。
また、この通りやると運営の難易度と手間が低い、かつ面白くて集客できるイベントになるというところです。

また、スライドもシンプルで美しく、100人カイギのブランドを広げるためにも有効だと思います。

主なところは以下のような感じです。

イベントの内容と流れ
5人のゲストの話を聞く。ゲストトークは1人10分でタイムテーブルも固定。

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タイムテーブル(以下で固定)

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参加費
飲み物付きで1000円で統一(オンラインは500円で統一)

イベントのゴール

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さらに、いくつか解説を加えると、まず、コンセプト的に、有名人を1人呼んで話を聞くのではなくて、街の人をゲストに呼ぶことになります。

これによって、ゲストを探す時のハードルが下がります
また、この1人10分のトーク時間という設定が絶妙で、話の得意な有名人でなくてもなんとかしゃべれるぐらいの時間で、かつ聞く側も聞き続けることができるぐらいの時間になっています。

10分の大まかな話の割合が、3割自己紹介→活動紹介→想いでしゃべるというところまでも!笑

運営メンバーは3名以上

ここまで呼んで運営してみたい!と思った方、運営になるためには、100人カイギの公式サイトより問い合わせをすることになります。

そして●●市で立ち上げたい、などと相談をすることになるようなのですが、1人だけでは立ち上げることができず、3人以上の仲間を集めることから始めます。
自分で見つけるだけでなく、公式サイトを通じて、同じところで立ち上げたい問い合わせがあったら熱量の高い人をつないでもらえることもハードルを下げる良い仕組みだと思います。

この3人という数字もちょうど絶妙なんではないかと思っています。
私もいろいろと参考にして、実は何か立ち上げをする時には必ず3人でスタートするようにしています。
シェア街も実は3人(正確にはヤドカリ夫婦2名を1組カウントなので3組)で立ち上げました。

初回イベントの手厚いサポート

100人カイギ、毎月新しい100人カイギを立ち上げるのは2つまでと決められています。
これは、事務局側のサポートできる会が2つまでということで、初回のイベントには必ず参加して、フィードバックするなど手厚いサポートがなされているということです。

この立ち上げまでの間に、メンバー集めと、会場探しをして、メンバー同士で早く立ち上げたいね、と盛り上がっている期間があります。

毎月、同時多発的に開催

100人カイギを初めて見たのは、おそらく2019年ではなかったです。
しかし、興味を持つようになったのは、2019年でした。

それは、同時多発的に100人カイギが開催されているのを、Facebookで見かけて「え?なんだろうこれ?すごい流行っているのかな!?」「知らない俺、遅れてる?」みたいに、思ったのがきっかけでした。

この同時多発的に開催されていて、すごい流行っている感が出ているのも大きなところだと思っています。
また、いろんな100人カイギに参加するような参加者を生み出す力にもなっています。

100人カイギは、あれだけフォーマット化されていながら、実は開催頻度については、毎月1回などの縛りはないため、毎月新しい100人カイギは2つまで、という決まりがあるのも、いい感じで、広がりを見せる良い仕組みになっているようにも思います。

終わりのあるプロジェクトであること

もともと、今回、100人カイギをテーマにしようという話になった時に、もっとも注目されていたのは「終わり」があるということでした。

コミュニティラボでは事前にオススメ記事などを話し手が紹介してくれるのですが、そこで紹介されたのが100人カイギ代表の高嶋さんのnoteです。

5人×20回で100人のゲストを呼んだら終了する、という終わりが、あらかじめ決められているコミュニティ、なかなかないのではないかと思っています。

この効果は大きく2つあるように思っています。

一つは終わりがあるからこそ、コミュニティの運営メンバーが生き生きとやり続けられるということ。
どうしても終わりがないと途中でモチベーションが続かなくなり、続けることが目的になってしまったり、、、ライフステージが変わるなど、中心メンバーに変化があった時にどうするの?というのも非常によくある話です。

もう一つが実は20回やり続けるってすごいということです。
同じ系統のイベント20回やり続けるって、実はすごくて、そこまでできずに終わるコミュニティが大半だと思っています。
そんな中で、終わりがあることが、実は逆に長く続けられる要因になっているのではないか、ということです。

100人カイギの再現性は高い

これまで5つのポイントをあげてきました。

5つのポイント
・誰でもできる。徹底的なフォーマット化
・運営メンバーは3名以上
・初回イベントの手厚いサポート
・毎月、同時多発的に開催
・終わりのあるプロジェクトであること

これらが再現性が高いと感じる理由としては、自分自身この仕組みと近い仕組みでコミュニティをつくってみて経験があるからでもあります。
それが、県人会をもじってつくった「ファン人会」というコミュニティです。

ファン人会とは?
県人会は、出身の人しか集まれない。参加のハードルが高い。。。
そんな声を受けて、その地域にいろんな関わり方ができる会として誕生したのがファン人会です。

●●県のファンなら誰でも人が参加できるということで、2019年末に自分の出身の兵庫ファン人会からお試しでスタートしました。
その後、数ヶ月で兵庫、京都、信州、秋田、広島、埼玉、岡山の7つのファン人会が立ち上がり、自分が想定した以上に一気に盛り上がりました。

プロが準備するような特別なコンテンツがなくても、ただ地域を好きな人たちが手作りで気軽につくった会でここまで盛り上がるのか?
なんの宣伝もしなくてもこれだけ人が集まるのか、運営者が増えるのか?
それまで、毎回のイベントづくりでかなり苦労をしていた自分からすると衝撃でした。

2020年に入ったとたんにコロナになってしまったのでいったん休止してしまったのですが、、、埼玉と広島ファン人会は、オンラインで少しずつ開催中ですので、よかったらお立ち寄りください!(オンラインはまだいい感じの仕組みを検討中)

Facebookページも立ち上げたのが、コロナ始まった後の4月なので、盛り上がりきれてませんが、コロナ後には一気にまた盛り上がるはず!です。

100人カイギについては、いろいろな見方があると思います。
他にも以下の記事の考察もとても参考になりますのでオススメです。


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