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シェアハウスの作り方④問い合わせ→内覧

 あなたのシェアハウスができてリノベーションも終わりました。
掲載サイトの手筈も整え、あなたの物件がサイト上で紹介されました。
 ここまで色々とやることや費用もかかり、あなた自身にとって見れば、やっとここまでやってきた感があるかもしれませんが、実はお客さんから見れば貴方の物件がPRされるのはここからなのです。実際に仕事として成立するためには、お客さんがあなたの物件に入居し、毎月家賃を払って初めて事業として成り立ちます。ここまでは自己満足の世界、お客さんがあなたを選んで初めて社会的にあなたのしている作業たちが"仕事”として昇華されます。
 
 さぁ、頑張りましょう。自己満足もいいですが、他人から認められることこそ仕事の喜びの一つです。

 世界に開けた貴方のハウスに興味を持つ方は日本人でしょうか、女性でしょうか。男性?。それとも海外の人?ヨーロッパ人?アジア人?そのうちの一人からあなたの物件に問い合わせが来ます。英語ができれば海外の方からの要望にも答えられますね。英語は大事です。
 まず問い合わせが来たら(ほとんどの掲載サイトは最低限必要な情報を最初の段階で聞いてくれるので)問い合わせの方の情報を確認ください。問い合わせてくる方の多くはたいてい質問をしてきます。興味を持ってあなたの物件を見てくれているということです。

 <Point.>
  問い合わせの段階で質問や確認のやり取りが続く人は入居する確率が高いです。人間の心理として労力を割いた案件には期待するような感覚が働くのでしょう。
  ただし、細かい質問やいろんな要望の多い方は入居の確率が高いのかもしれませんが、入居後にも要望が多かったり、クレームが入ったりということにもなりかねません。
  ここらへんの線引は実際に何件か問い合わせ〜入居・入居後を経験しないと実感がわかないのですが、大事なことはあなたが友人として許容できる範囲かどうかです。結局のところ入居後に問題になって最終的に責任をとるのは貴方自身ですので、あなたがその人に対して腹をくくれるかどうかが大事なんですよね。
  そういう点でも、問い合わせのやり取りのあとに内覧(内見)をしたほうがお互いのためにも絶対いいと思います。

 問い合わせがきたら内覧(内見)を設定しましょう。内覧とは問い合わせをしてきた人に実際に物件を見てもらって、その人にイメージと実際に相違がないか、雰囲気が合うのかどうか、アクセスや部屋の大きさなどを確認してもらうことです。

 ここで重要なのが内覧をしているのはお客さんですがあなたもお客さんを内覧してくださいということです。
 
 シェアハウスはマンションの部屋を貸すのとは異なり、他の入居者とのコミュニティを作っていく場所です。あなたも希望者のことを観察してください。(ただし、相手が怖がるような態度はもちろんNGです。相手のことを事細かく詮索するのも度を過ぎると良くないですよ。)
 今、住人さんがいるのであれば、彼らとうまくやっていけるのか、その人が入ることでPositiveな方向にいきそうか。そもそも希望者はあなたにとってOKな人かどうか。むずかしいかもしれませんが希望者さんとの何気ない会話の中でちょっと探りのジャブをいれてみてください。
 (ここで、すぐ警戒心を露わにする方や、不快感を出すひとはそもそも向いてません。シェアハウス、コミュニケーション要りますので。)
 あなたがコミュニケーション取りにくい方は、他の入居者さんはもっと取りにくいです。あなた自身が最初の判断基準となります。
 ですので、私がよくしている小技ですが、私はなるべく該当ハウスの最寄り駅で待ち合わせるようにしています。相手にアクセスの所要時間をイメージさせるのも大事なのですが、もう一つは物件までの行き来の時間でその人の感触や人となりの"さわり”の部分を会話の中で掴むことができたらという時間を設けています。あと一通り物件を内覧したあとでも会話ができそうならちょっとリビングお茶でもできたら◎です。
 
 ちょっと乱暴に聞こえるかもしれませんが、もし空室があって、希望者が内覧して「すみたいです!」となってもあなたがNGかなと思ったら入居をお断りするほうがいいです。稼働率が低くてどうしても必要だとしても、できることならNGと思ったら断りましょう。
 断り方は、正直に。
 
大変申し訳ありませんが、内覧後の審査の結果、○○さんは弊社のシェハウスには向いていないようですので、大変心苦しいですが、今回はキャンセルとさせてください。
 
 基本、このような体で断っていいです。というのも、入居者さんが複数いる中で、内覧のときに気になっても妥協して入居させた方は、9割9分問題を起こします。 そしてそのときに一番犠牲になるのが周りの入居者さんたちです。その方が一人退去になればいいのですが、たいがい問題が大きくなると居心地が悪くなって周りの入居者さんも共に退去します。

 そもそもシェアハウスを運営する側の私達もいろんなひとがいますし、価値観やいままでのバックグラウンドも違うので一概に言うのは難しいのですが、昔シェハウスの会社にいて入居者を決めるときに「なるほど」と思ったのが
 あなたの家族(妹・弟)・彼女/彼氏が、物件に住んでいるとしてその人を入居させるかどうか
 という判断基準がありました。
 
 まぁ、これもひとによってまちまちですが、<Point>でも言及したように、あなたの事業だったり、あなたが担当であれば最終的に責任者はあなたです。そのときに納得できるようなハナシであれば仕事としても回るとおもいます。

 ここまで、概念的なことを色々と言いました。シェアハウスの会社にいたときも、ここが一番新しいスタッフや新入社員に伝えることが難しいし、マニュアルに残しにくいところでした。ただ、シェアハウスという仕事でおそらく一番ネックになる箇所はここかと思います。私自身まだ正解を見つけれないですし、未だに焦って入居させてしまって後悔したりすることがあります。
 シェアハウスを運営するということは、ゲストハウスをしたり物販をしたり他の営利活動に比べて効率の悪い業種です。正直、1軒〜2軒のサブリース形態では利益も十分に見込めません。
 ただ、地域貢献や空き家解決の一旦を担える事業だと思いますし、持続可能な社会やコミュニティの活性化などに向いている活動だと思います。 
 そのような中で貴方がこの仕事についた限りは貴方自身の「納得感」を大事にしてください。逆にいうとあなたが満足しない限り、この仕事を続けていくことはしんどくなります。

 大事なことは貴方自身がこの仕事を楽しんでください。ということ、今回はシェハウスとしての大事な部分の一つとして【問い合わせ→内覧】という部分のわたしなりのポイントを紹介させていただきました。
 
 


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