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「インドで働いていた社会人」から「日本での働く社会人」になった時の違いから気づいた重要なこと

こんにちは。
最近は急に冷える日が続きましたね。

インドのハイデラバートという都市で受託会社に新卒として入社し、帰国してから約半年間が経ちましたが、相変わらずインドの気候は少し羨ましく感じています。日本はやはり寒い....

ただ、料理に関しては日本が圧倒的に美味であるので、満足しております。非常に。(インドの料理は辛すぎました...)

現在は帰国後に転職活動をし、第二新卒枠としてIT企業入社しバリバリ働いていますが、そこで感じたインドと日本の働き方や給料に関する考え方のギャップをお伝えできればなと思います。

ただし、これは私の経験談なので、こういう違いがあるんだというぐらいの軽い気持ちで見てもらえると幸いです。

さて前置きはここまでで、早速本題に入っていきましょう.

1:基本的な働き方に関する考え方の違い

11:基本的な働き方に関する考え方の違い

まず、前提として人それぞれには個別の働き方に関する考え方が存在している。

例えば、

「絶対に定時に帰りたい」 であったり                「残業代が出るからなるべく遅くまで働きたい」 など

これらの思考は全世界共通であり、考え方には違いがあるのはもちろんですが...

今回はあくまでも「インドの基本的な企業における従業員の考え方」と「日本で自分が働いてきた企業における従業員の考え方」や「給料、お金に関する考え方」の根本的な違いについてのみ記載することにします。

ここを深掘りして議論すると、国で分けて考えるなんてナンセンスだ!みたいな論争が起こるので....

ではまず早速、根本的な違いの一つを早速あげると、それは

インドでは家族重視の働き方が染み付いている

ということである。これに尽きると思う。

インドは離婚率が日本と比べて非常に低いことからもわかる通り、非常に家族の繋がりを大事にしているので、冠婚葬祭及び、家族に何かあったときに会社を休むのが非常に一般的なので、誰か急に4日間仕事場に来なくても気にする様子はなく、それに加えて子供が体調不良になっただけで休むのも普通なのである。(家には親族が看病しているのにも関わらず...)

日本では、                               

「ここの時期は忙しいから..」    とか
「先週も休んだよね?今週も休みとるの?」

などと上長に釘を刺されるとそれだけで、自分がまるで悪いかのように感じてしまう職場環境もたくさんあるだろう。

インドでは基本的にこのような周りの目を気にする様な事は無いと言えます。

どうやってこれらが判明したかというと、日本人の方が長期出張で僕が働いていたインド法人の企業に来た際に、あまりにも家族重視の思考で働いた光景を見て驚いていたからです。

急に仕事を休むし、実家に家族に会いに行くというだけで3日ほどいなくなったりと日本では考えられないようなフレキシブルな働き方が根付いており、働き方の基準に大きな差異を感じました。

特に驚いたのが、「祭りだから家族と過ごす為に休みます」という理由で1週間休んだ同僚が複数人いた事...笑

これは宗教的な面も絡んでいますが、かなり驚きました。
日本ではまず許可が下りない休暇申請であるなと実感しました。


ではどんどん行きましょう。
次の違いをご紹介します。

ビジネスにおけるスピード感と思いやりの深さが違う

こちらはどういうことかと言うと....

例えば期日に関しては、私が働いていた企業では期日が遅れることに非常にルーズで、期日が遅れたとしても、先方の条件が悪かったであったり、予想外のエラーが起きたから仕方がないなど、そういった考え方が根底にありながらインド人のみんなは働いていた。

なので、インド法人通しの付き合いでは、お互いの状況を鑑みて、お金もサービスの質もこのレベルでまぁいっか。と言う妥協点が非常に日本と比べる低いように感じた。

例えばの納品に関して製品を100%の状態で出すのではなく、70%の状態で提供し、残りの30%はフォローで補っていくという考えで開発を行うこともよくあった。

必要であれば追加の開発や定期メンテナンスを行い、関係性を長期のものにしていき、関係性を徐々に強化していく。といったスタンスが基本なのである。

ただし、日本の主な企業は全くスタンスが違う。

納品であれば100%完璧にした状態のものを適切に納品日に提出する。

と言う事がいかに重要かと言うスタンスで、その後のフォローは企業によっては異なるが、共通するのは約束はきちんと守り、誠実な対応で持って顧客と向かう。という点で、それに関しては日本では特質するものがある。

いつかのセミナーで、テラドローンの社長の徳重さんがおっしゃっていたことに非常に類似している点があると思っていて、

「日本は全てを完璧に100%の状態でサービスなり製品をリリースもしくは納品したがるが、海外ではそうではない。全て50%くらいからのスタートで行なっている。理由は簡単でそちらの方がスピードが速いからだ。」

とおっしゃており、まさしく僕がインドで経験したものだと、直感で感じた。

日本でいう「思いやり」の心というものに関してはインドで働いていた際はあまり感じず、日本のように何よりお客様のことを真摯に考え、先方の要望以上の何かに答えようとするスタンスではなく、インド人にとっては一番重要なのは家族、次に給料、最後にお客様というようなスタンスであった。

これに関してはカスタマーファーストやエンプロイメントファースト、グロースファーストなど企業によって重要視しているコアな部分は違うのはもちろんだが、インドに関しては総じて、家族が一番根底に来ているのは間違いないと思う。友人の証言や、車内の様子、インドの文化などから見てそこは間違いがないと思うし、友人も何より家族だと言っていたのでこちらは新しい視点を持つことができ新鮮だった。


2:給料、お金に関する考え方の違い

2:給料、お金に関する考え方の違い


お金に関してもなかなか大きなギャップが見られたので、共有させていただきたいと思う。

まず、

いただいた給料、個人で稼いだ所得は基本的に家庭に分配する

と言うことである。

インド(私が働いていてインド法人および友人、友人たちが働いていた企業の社員を指す)では日本よりも断然、家族意識が非常に強い。

先ほどお下手通りこれは間違いない。

基本的に長男は家族を養うことも多く、IT産業がインドで発達しているのもエンジニアになって稼いで、家族を救えるからと言う理由も大きく起因しているのは事実です。

なので、基本的には収入は自分のために全て浪費すると言うことは無く、家族の病院代、家賃、食費、ガソリン代などに当たる事が多く、残ったお金で自分の食費やお酒やタバコ、その他娯楽品などで消費するといったパターンが非常に多い。

例えば、日本の23歳男性で、結婚は考えておらず、本来なら自分で稼いだお金は自分で浪費すると言うよくある日本のスタイルはインドではなかなかの厳しい。
と言うのも、自分を生んでくれた母親や、自分の姉、妹はいい職に就けない傾向があるからである。(就けて飲食関係、メイド、掃除屋、レジ係など)

理由はカースト制度や男尊女卑がまだ残る文化であるのに起因している。

*詳しくは僕が描いたインド関係の記事を参照してくださいませ。

そうすると一家の大黒柱として働くのはエンジニアやプログラマーなどで一定の安定した収入を得る長男であり、自分の収入を家庭に分配せざる負えない環境になっているのである。

周りの同僚も本当にこのパターンが多く、70%くらいの割合で従業員がこの収入の分配を家族に行っていた。

ただ、本人たちはこれが普通の認識なので、心境は何か複雑になったのも事実である。(日本の事を伝えると羨ましがっていた...)


2点目は

購買意欲が高いが、その中でも物欲の購買意欲が非常に高い

日本で例えば社会人になって一定の給料をもらった時に、様々なものに支出をすると思う。例えば、飲み会やキャバクラ、旅行やカラオケ、映画やショッピングなど数え切れないほどに例は上げることができるが、インドでは消費先が少し違う。

現在、多くのインドの大半の地域がレベル2、もしくはレベル3*の状態なので、給料が入り次第、必要な食品、電気代、携帯代、そしてそこから余ったもので自分の欲しいものや服、家電やバイクなどを買うといった購買パターンなので、日本と比べて、「体験」を購入すると言うよりかは「物」を買うことが非常に多い。

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*著書:ファクトフルネス 著者名:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 著 発行元:日経BP社
参照:https://programming-dojo.com/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%AB%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%A6%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3/

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これは客観的に経済状態から鑑みると普通なのである。

日本も高度経済成長に差し掛かるくらい〜中期の時はとにかくものが売れた。

今インドの経済状態がその時期であるので、旅行やイベントなどの「体験」を購入するのでは無く、必要なものを必要なだけしっかり買う「物」を購入するのが普通なのである。

ただし、ここだけで状況を語れないのがインドの面白さなのである。

・必要最低限の「物」と何か欲しい服やイヤホンなどを購入している
「中間層」の友人達。
・家がなく、仮設テントのようなところで過ごし、食べ「物」くらいしか購入できない
「貧困層」もいれば
・常に高価な「体験」を購入している「富裕層」も多く存在しており、富裕層は増加している傾向もあるのである。

インドはまさに現在、欲のレベルと所得のレベルが急拡大し、「物」から「体験」を購入する人が増加している国なのである。

まさに、アメリカ、日本の進んでいるように所得レベルの二極化の真っ最中なのである。


これは余談ですが..

これがインドで一番高級な家で、

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これが家を建てれないので、自分で家を建てている家庭です。

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こちらのタイプの家はよく見かけます。これがギャップです。

3:まとめ

3:まとめ

今回は働き方の考え方とお金(主に給料)に関する考え方についてご紹介させていただきましたが、こちらはマクロ的な視点ではなくミクロ的な視点で私の周りから感じ取っ方ことや直接聞いたことから記載しました。

ただ、こちらは全て事実であります。

一歩日本の外で働いてみると、働き方から金銭感覚、思考までがその土地のに順応し始め、日本に帰ってきてから、「あ、やっぱりこれは日本とは大きく違ってたな」と改めて感じるようになりました。

現在、日系の企業で働いていますが新卒でインドに行ってからこそ、今の会社のことを俯瞰的な視点(ある日本という国のある企業の一員という視点)で見ることが出来ています。

新卒から日本でずっと働いていらっしゃる方は、「日本で働く中で培われるスタンス」=「ディフォルト」になってしまってますが、それは少し危険だとも思っています。

現実的に海外で働くことが自分にとって良い選択になることが大いにあるこの時代で、そのスタンスに染まってしまうと、違うスタンスを受け入れにくくなることがあるので、海外で働く機会がもしあれば僕は無理にでも挑戦すべきだと僕は思います。切実に。

新卒でインドに就職しましたが、そのおかげでどこの国に行っても働けるという自負もありますし、何より「働けるのは日本だけじゃない」というスタンスを常に持てるようになりました。

今後、インドで働いたり、他の国で働く予定がある方は頭の片隅にこの記事のことを保存していただけるといいかもしれません。
てか、そうしてくれると嬉しいです笑


長文になってしまいましたが、こちらで締めさせて頂きます。
最後までお読みになって頂き有難うございました〜。

では。




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