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社会的養護を必要とする子たち

少し古いですがH26年に発表された統計によりと、児童虐待の相談対応件数は9万件に迫っています。その中で社会的養護を必要とする子供は4万人と報告されています。身体的虐待の次に多いのがネグレクトといった養育放棄です。

虐待を受けた子供たちの多くが食事を十分に与えられていません。学校に行けている子は給食が唯一のまともな食事と言う子も少なくありません。そのほかの食事はコンビニ弁当だったり、インスタントラーメンなどが多いようです。お菓子でおなか一杯にしている子もいます。

このことから貧困であるから飢餓もあるとは限らないと分かります。安価で手に入るジャンクフードが世の中にはあふれていて、それでお腹を満たしていて栄養的には全く足りていない、でも本人はそれでよいと思っている・・・良いと思っていなくても方法が他にない。そういう子たちは肥満状態にあることも少なくなく、見た目、貧困であることが分かりにくい。

児童福祉法で規定されている入所施設は様々ありますが、そこで提供される食事は栄養士さんが栄養も味もメニューの組み合わせも考えてくださっているものです。それに加えて1日3回必ず自分の分があるという安心感。

成長期である児童たちにとって身体を作るうえでも心をはぐくむためにも必要なものであり、食の飢餓が解消されると心の飢餓感も解消され、無茶食いなどが無くなっていきます。食べることが心配でなくなると別のことに目が向きます。児童の世界を広げていくためにも衣食住の安心感は欠かせない。それが養育者からの虐待で妨げられていると柔軟性が無くなり生きることが苦しくなる・・・その根本を支えているのが入所施設。入所施設の役割は被虐待児の「癒し」にあると思うのですが、現状はなかなか思い通りにはならず。そこにジレンマを感じずにはいられません。