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シューカツコンプレックスを抱えた高校教師がキャリアコンサルタントになった

キャリコンとしての自己紹介です。

シューカツコンプレックスを抱えている私は、国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。高校の進路指導部として、新規高卒就職者のキャリア支援・就労支援を主な領域にし、お仕事が出来たらいいな、と思っています。

なんで自分がここまでキャリア支援に惹かれてるのかなあ、とふと考えてみたのですが、たぶんそれは自分がシューカツコンプレックスを持っているからでしょう。

このコンプレックスと自分がどう向き合っていくのかが、教師兼キャリアコンサルタントとしての今後の活動、自分自身のキャリア形成、なんならこれからの生き方に関わってきそうな気がしていて、なんとなく文章化してみることにしました。

私はいわゆるシューカツをしたことがありません。大学院を卒業後、教員採用試験を受けて、教育公務員になりました。ごうどうせつめいかい?えんとりーしーと?なんだかたいへんそー、という状態で社会人になりました。今考えたら、当時からそんな自分の状況に引っかかりを覚えていた気がします。なんかイニシエーションを経験してないみたいな、そんな感じ。

だからなのかは分からないけれど、正直言って、私は社会人になりきれてなかった。教師なんて基本的には教科の勉強を教科書に従って教えたらいいだけだから(いやまあ実際にはそれ以外も求められるんだけど)、別に社会がどんなものなのかを意識しなくてもどうにかなる。もちろん建前としては社会に出るための教育やらをしてるみたいなんですけど、勉強教えたいだけ(あるいは部活したいだけ)の、学校文化しかしらない教師がうじゃうじゃいるから、私みたいななんちゃって教育者も職場になんなく馴染めました。そうこうしていると、そのシューカツコンプレックスの存在さえ忘れてしまってました。そのまま教員生活を過ごしていけば、きっとそいつとは向き合うことなく、所謂ガッコウノセンセイになってたんでしょうけど、たまたま就職指導担当になって、状況が一転しました。

私は生徒を通して、シューカツコンプレックスとまた向き合うことになったのです。

一年目は本当に嫌だったし、無責任なことに仕事をしませんでした。理由は分からないから。求人票なんてちゃんとみたことないし。社会人に求められる力?なんそれ状態。

シューカツコンプレックス。

私は青年期にシューカツが出来ませんでした。大学のキャンパスを颯爽と駆け回るリクルートスーツを鼻で笑うような素直じゃないクソ野郎でした。本当は社会という訳の分からない真っ黒な塊の中に、愛おしい自分を投げ出すのが怖くてたまらなかっただけなのに。なんて恥ずかしい。

もう私はあの青年期特有のごちゃごちゃしたシューカツはできないかもしれません。自分ってなんだろうという漠然とした不安を抱え、押しつぶされそうになりながらも、必死にもがいて、なんなのかよく分からないけれどいつかはみんなが手にするらしい社会人への切符を獲得するみたいな経験は、仮にこれから転職活動をしたとしても、味わうことがないでしょう(もちろんどんな働き方、仕事の就き方をするのかは人それぞれですが)。

そんな私からしたら、高校のシューカツ生がもう立派で立派でたまらない。もがき苦しみながら、文字通り涙を流して内定を勝ち取る。進学する友人を横目で見ながら、自分の置かれている理不尽な状況に気がついていないふりをして(あるいは本当に気がついていない)、社会に自分をどう位置付けていくのか、具体的な行動によって示していく。私が怖くて逃げていたことを二十歳足らずの青年がやってのける。というかやらなくてはいけない状況に置かれている(もちろんそれは一面的な見方なんやけど)。

そりゃ応援したくなるよ。

私が高校生に対して就職指導をしている時、そこに個人的感情が大いに入り込んでしまっているのは疑いようがありません。私は、シューカツをする高校生を支援することを通して、自分がかつて出来なかったことの精算をしているのでしょう。なんて自分勝手な人だ。高校生のシューカツが上手くいった時、自分ごとのように喜ぶと言ったら、字面的には良さそうですが、紛れもなく自分ごととして喜んでしまっています。

他人の人生を利用して自分のコンプレックスの穴を埋めようとしているようで、時折罪悪感を覚えます。いきすぎないように注意しながら、これからも頑張っていこうと思います。

キャリコンとしての自己紹介でした。

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