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ONARA RECORD #9「TSUNAMI/サザンオールスターズ」

今回ご紹介するオナラレコードは「TSUNAMI/サザンオールスターズ」です。

もうご存知の方が殆どだと思うのですが、サザンは元々青山学院大学の学生らで結成されたバンドであり、デビュー曲「勝手にシンドバッド」が当時の人気番組「ベストテン」で放送されたことを機に一躍スターダムへのしあがりました。
現在Vo.の桑田さんは還暦を過ぎていますが、未だに第一線で活躍するおばけバンドです。

ヒット曲が五万とあるサザンの中でも、最もヒットした曲が「TSUNAMI」です。
セールスでは自身最高の累計293万枚を売り上げ、当時のオリコン歴代シングルランキングで3位にランクインしました。

▼PV

▼歌詞


さて、まずはこの曲を簡単に3行でまとめてみたいと思います。

好きな気持ちは、川のせせらぎのように抑えられない。
もう彼女のことしか目に入らない、考えられない。
なのに、見つめあって上手に話すことも出来ないんだ。

まさに恋愛の本質を突いたような歌詞ですね。恋心は制御できないから辛い、でもそこが醍醐味だったりもする。
そんなことを感じさせる、風情に富んだ曲では無いでしょうか。


そしてサザンだろうが、何だろうがこれも「オナラレコード」なのです。
いよいよ「いい加減にしろよシャニカマ」という声も聞こえてきそうですが、落ち着いて読み進めてください。

では、一体どんな屁理屈を歌っているのでしょうか。


それは、痴漢常習犯の屁理屈を歌ったオナラレコードです。

これまた飛んでもない輩の屁理屈ですね。随分立派な性犯罪です。
本当にそんな男のオナラレコードなのでしょうか?

まずは痴漢常習犯の様子を思い浮かべてみましょう。

・現在42歳で、若ハゲ、中肉中背の冴えないサラリーマン
・学生時代から1度も彼女が出来たこと無い
・かつては経理として10年間勤め上げていたが、一昨年痴漢で捕まり、そのまま懲戒解雇になった
・母親を早くに亡くし、父からは痴漢の一件で勘当を言い渡されている
・懲戒解雇の経歴が邪魔をし、ロクな定職に就けず現在はコンビニのアルバイトをしている
・通勤途中で毎日見る女子高生に一目惚れ、今でも痴漢行為に及んでいる

悲壮感のオンパレードですね。救いようが無いとはまさにこのことでしょう。
では本当に「TSUNAMI」がこの男の屁理屈を歌っているのか、実際に見ていきましょう。

Let’s ONARA RECORD!!!


風に戸惑う弱気な僕
通りすがるあの日の幻影
本当は見た目以上
涙もろい過去がある

これは学生時代のほろ苦い思い出を回想するシーンです。

まだ風が冷たい卒業式の日。意を決して、初恋の人を校庭の隅に呼び出した。
しかし彼女が現れることは無く、下駄箱で見覚えのある手紙が千々になっていた。

拾い上げていく自分の前に彼女の友達たちが現れ、「気持ち悪いんだよ、身の程わきまえたら?」と罵られた。

今でも黄昏時になると、下足ロッカーで取り囲まれた忌まわしい記憶が鮮明に蘇る。
誰にも見せないが、思い出すと泣きそうになる辛い過去だ。


止めど流る清か水よ
消せど燃ゆる魔性の火よ
あんなに好きな女性に
出逢う夏は二度とない

ここは自らの抑えられない欲望について語った場面でしょう。

止めても流れる川の水、消せども燃える炎
電車に乗っていると止めることの出来ない欲望が自らを支配してしまう。

彼女を車内で一目見た時から「こんな人、他にいない」と思えた。
後悔したく無いと、スッと手を回したら、最後自らが満たされるまでその感触に酔いしれていく。


人は誰も愛求めて 闇に彷徨う運命
そして風まかせ Oh,My destiny
涙枯れるまで

ここは「愛」というものについて思いを馳せる場面でしょう。

人は誰だって「愛されたい」し「愛したい」と思い、その闇に彷徨う。
闇の中では誰もが戸惑い、ただ風に身を任せていくだけなんだ。

ダメなことだって分かっているさ。これは自分の運命(destiny)。
もう涙枯れるまで落ちていくだけなんだろう。


見つめ合うと素直にお喋り出来ない
津波のような侘しさに
I know ..怯えてる.Hoo...

ここは過去のトラウマについて語る場面でしょう。

女性と面と向かうと、あの日の忌まわしい記憶が蘇る
素直に、平常心で話そうとすればするほどに、たどたどしくなってしまう。

徐々に相手の顔が怪訝になるのが分かるから、どうしていいか分からない。
為す術もない津波のような侘しさに怯えているのさ。

だから、自分は「痴漢」という行為でしか彼女を愛せない。


めぐり逢えた瞬間から魔法が解けない
鏡のような夢の中で
思い出はいつの日も雨

ここは憧れの彼女に痴漢をする場面を回想するシーンです。

電車に乗り込み、彼女に出会った瞬間から魔法にかかる
言葉にできないほどの甘美な時間が流れていく。

窓ガラスに映る人混みは鬱蒼としている。
そこに映る惨めな自分と美しい人。

何故だろうか、思い出すのはいつも雨の日ばかり
ああそうか、雨の日は満員電車が多いからかもしれない。


(中略)
人は涙見せずに大人になれない
ガラスのような恋だとは
I know.. 気付いてる,Hoo..

ここは「痴漢」という行為を切なく想う場面です。

本当はフラれても、それをバネに次の恋へ一歩踏み出すのだろう。
その涙が大人になる道なんだから。

でも「痴漢」は「恋」には繋がらない。
近くにいるけど、自分と彼女には分厚いガラスの板が隔てているんだ。

そんなことは知っている。
ガラスに映る自分と、怪訝な顔をする彼女を見て気付いているんだ…。


身も心も愛しい女性しか見えない
張り裂けそうな胸の奥で
悲しみに耐えるのは何故?

ここは「痴漢」という形でしか愛せない自分への苛立ちを吐露する場面です。

身も心も、大好きなあの娘しか見えない。
本当は愛し合って、真正面から向き合いたい。でも向き合えない。

そんなもどかしい気持ちで、この胸は張り裂けそうになる
好きなだけで、愛しているだけで、何故こんな「悲しみ」に耐える必要があるのだろうか


(中略)
めぐり逢えた瞬間から死ぬまで好きと言って
鏡のような夢の中で
微笑をくれたのは誰?
好きなのに泣いたのは何故?
思い出はいつの日も…雨

ここはクライマックスで自ら「愛されたい」という想いを吐露していく場面です。

巡り会えた時から死ぬまで「好き」と言って欲しい。
痴漢なんかしている奴が言えることじゃ無い。そんなの分かってる。

そんな時、ガラスに映った彼女が微笑んでいるように見えた。
見間違いかもしれない、幻影かもしれない。でもそんな気がした。

それだけで涙が出てくる。何故かは分からない。
そんな日も、外は雨が降っていた


いかがでしょうか。
「痴漢」自体はまるで許されることではありませんし、軽蔑するべきことだと思います。

ただ、彼も本当は真正面から愛し合いたかったのでしょう。
屈折した愛情は、救いようの無い悲劇を生んでしまうのです。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。