人間は考える前に足を出せ。
今日は朝からクライアントさんとのミーティングでした。
朝と言っても11時開始なのですが、人間はそもそも11時始業なので「朝イチ」ということになります。
そのためクライアントさんのオフィスに直行し、ミーティング後に人間オフィスへ戻る手筈だったのですが、とある事情でミーティング前に人間へ一度出社しなければならない事態に。
それに気づいたのが10時15分です。
ミーティング開始の45分前。
そして、人間からクライアントおはさんのオフィスまでは徒歩10分。
急いで花岡さんに連絡するとこんな返事が来ました。
「ウォークするので急いで45分着になりそう。」(原文ママ)
「ウォークする」とは「徒歩で行く」という意味ではありません。
お察しの通り「ドラクエウォーク」のことです。
もう一度言いますが、ミーティングは11時からで、クライアントさんのオフィスまでは徒歩10分かかります。「45分着になりそう」だとギリギリなのは火を見るよりも明らかです。
オフィス近くのカフェで作業をしていた自分はすぐさま返信します。
「ランしてください。」(原文ママ)
急いでヌルいコーヒーを流し込み、お会計をします。
550円でした。
モーニングセットなら500円なのに「ホットコーヒー単品でいいです」と注文したら550円です。なぜ「セットの方がお安いですよ」と一言添えない。
そもそもセットの方が安くする意味がどこにある。
なんだ、コーヒーとパンがセットで括り付けられているとか、御膳で納品されるから省く方が手間なのか。そんなわけ無いだろ!
とてもムカムカとした気分のまま店をあとにし、オフィスに到着。
しばらくして、花岡さんはやって来ました。
10時45分です。
なにしてんねん!
こっちは急いでんのに!!
しかし、奴隷の分際でそんなことを言うわけにもいかず、モヤモヤとしたツッコミを抱えたままクライアントさんの元へ向かいました。
1時間しかないミーティング。
私は前職で学んだ「会議の効率的な進め方」の鉄則に基づいて綿密なアジェンダを事前共有して臨みました。
ちなみにアジェンダの大切さはこの記事をご覧ください。
さあ、会議がスタートします。
まずはこの話から…。
「●●さん、ドラクエやってるんですか?」(原文ママ)
うぉい!
またドラクエの話かよ!!
「ちょ、案件の話しましょ…?」
「あそこトロルが出るんですよね〜」
「そうそう!そうなんですよ!」
「僕もよく行くんです」
「今って新幹線でもアイテムは取れるのご存知ですか?」
「えー、そうなんですね」
「案件…」
「そういえばこないだ・・・」
自分はドラクエを一度もやったことがない人間なので、まるで興味が湧くこともなく、小さくため息をついて一度天を仰ぎました。
もう一度会議室に目を落とすと。
全員が笑顔なのです。
まるで放課後に帰宅するなりランドセルを投げ出し、公園に駆け足で集まった小学生たちのように無垢で遠慮のない笑顔。
これか。
これだったのか。
こんな風に純粋な心で「面白いもの」だけを追い求める心がないと、「面白いもの」なんて作れるわけがないんです。そのアンテナだけが、良いものを作り出す貴重な手がかりなんです。
「人は考える葦(あし)であれ」
とよく言います。
しかし、花岡さんに言わせれば違います。
「人は考える前に足を出せ」
ということです。
ドラクエウォークのコンセプトにも、そんな意味が込められているのかもしれませんね。とにかく「歩け」って。
サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。