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ONARA RECORD #11「マイフレンド/ZARD」

今回ご紹介するオナラレコードは「マイフレンド/ZARD」です。

ZARDは女性シンガーの坂井泉水さんを中心とした音楽ユニットで、ZARD=坂井さんのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
1991年に街中でモデルとしてスカウトされた坂井さんのソロプロジェクトとしてスタートし、その後1993年には6thシングル「負けないで」でオリコン1位を記録し、その後もヒットを飛ばし続けました。しかし、坂井さんが病に倒れ2007年に亡くなられたことで、ZARDはその16年の歴史に幕を閉じました。

数多くのヒット曲を出したZARDの中でも、名曲として名高い曲が「マイフレンド」です。
スラムダンクのEDにも起用され、話題となりました。

▼PV

▼歌詞


さて、まずはこの曲を簡単に3行でまとめてみたいと思います。

ひたむきに夢を追いかける姿が素敵。
あなたを見ていると、何故だか素直になれた。
ずっと見守っているから、諦めずに走り続けて。

本当に前向きで、心の芯から勇気が湧いてくる歌詞ですね。
ひたむきに進み続けること、その背中がどんなに素敵なことか。それが他の人をどれだけ勇気づけるか。青臭いけど、ピュアに嬉しくなりますね。

そしてこれは明確な「オナラレコード」なのです。
明確に、透き通るような薄黄色。THE・オナラレコードなのです。

では、一体どんな屁理屈を歌っているのでしょうか。

それは、ヒモの屁理屈を歌ったオナラレコードです。
ヒモ、恋人に経済的依存をする彼氏のことを指す言葉ですが、本当にそんな男のオナラレコードなのでしょうか?

まずはヒモの様子を思い浮かべてみましょう。

・29歳で同い年の彼女と同棲している
・小説家を目指しているが、日々「小説のため」と言っては散歩と映画鑑賞に明け暮れて5年になる
・彼女は教師になることを夢見ながら、非常勤講師と家庭教師で家計を支えている
・彼女とは大学の同級生で、同じ文学部で知り合った
・付き合いたての当時から9年間、男が働いたことは一度もない

いますよね、こういう典型的なだめんずと、だめんずうぉーかー。
見ていて苦しくなってきますし、他人事ながら腹立たしくなります。

では本当に「マイフレンド」がこの男の屁理屈を歌っているのか、実際に見ていきましょう。

Let’s ONARA RECORD!!!


あなたを想うだけで 心は強くなれる
ずっと見つめてるから 走り続けて

これは彼女に対する素直な思いでしょう。

もう付き合って9年、出会って10年になる彼女。
「教師になりたい」その一心で生きているまっすぐな女性だ。

彼女の後ろ姿には何物にも代え難い「尊さ」があり、その姿を見るだけで僕は勇気がもらえるようだ。
誰が何と言おうと自分を信じてほしい。

ずっと見つめているから、走り続けてほしい。
あゝ僕も少しずつ前に進める気がする。


ひたむきだった遠い日の夢は
今でも眩しい
どんなに不安がいっぱいでも
真っすぐ自分の道を信じて

ここは付き合う前からを回想して物思いに耽るシーンでしょう。

10年前のあの日、初めて構内であった時から君は大きな参考書を片手に抱えては、難解な言葉の応酬に一喜一憂していたのを思い出す。
小学校の頃から恩師に憧れ、同じ夢に向かって突き進む君の姿は、今でも色褪せることなく眩しい限りだ。

周りのやつは「あいつとは別れろ」だの「ちゃんとした人を選べ」だの言うかもしれない。
彼らは真っ直ぐな君が怖いだけなんだ。不安にさせたいんだ。

自分たちを正当化するためにね。

だから、不安がいっぱいでも真っ直ぐに信じた道を進んでいってほしい。
心からそう思えるんだ。


飾らない素顔のあなたが好き…
変わってしまうことが哀しい

ここは今の彼女を純粋に応援する気持ちが描かれた部分です。

今でもあの頃と同じ笑顔で夢を語り、同じ角度で微笑んで見せる君は美しい。
そこには一切の「見栄」や「偽り」がない「ありのまま」なんだ。

あゝ、そんな君に変わってしまう日が来るのではないかと思うと哀しい。そして怖い。
どうか今のままでいてほしいんだ。

美しい君の姿をいつまでも見ていたい。
そして、何もできない僕を養ってほしい。


いつも輝いていたね 少年のまま 瞳は My Friend
あなたがそばにいると 何故か素直になれた
この距離通り抜ける 風になりたい

ここは付き合ってきた日々を回想して感謝を伝える場面です。

いつも君は少女のように快活で、何一つ疑わずひたむきだったね。
君の瞳には一点の曇りもなく、ただ現実に喘いでいる僕を養い続けてくれている。

経済的な面だけじゃない、君の曇りなき眼(まなこ)で見つめられると素直になれたんだ。
その薄く茶色がかった瞳の先に、痛いほど綺麗な世界が広がっているから。

僕は素直に思う。
「実態として君の背中を押すことは出来ない。ただ君を優しく舐める風でありたい。」と。


真実の愛なら きっと色んな事
乗り越えられたのに
星のパレード 涙がこぼれない様に
大きく息を吸った

ここは2人の間に訪れた、別れの危機を描いた場面です。

きっと、本当の愛なんてものがあれば、色々なことも簡単に乗り越えられただろう。
あの日の僕らは大切なことをお互い見失っていたよね。

君は僕が働いていないことに腹を立て、僕は自分が理解されないことに腹を立てて家を出た。
あの1週間で何度も見た星空のパレード涙が溢れないように大きく深呼吸して見上げていたんだ

君も同じ空を見ていると信じて。


ひとりでいる時の淋しさより
二人でいる時の孤独の方が哀しい

ここは「大切なこと」に気がついた後のシーンでしょう。

離ればなれになったあの日々で、僕らは互いに示しあったかのように大切なことを知ったね。

1人でいることが孤独じゃない。
2人でいても、お互いを信じられないことが孤独にさせてしまうんだ
と。・

気づけば僕はまた君の家にいた。
その日から何も言わなくてもお互いに分かりあっているよね。

僕が何も言わなくても、必要なお金を差し出してくれる。
これはお互いが心で繋がっている証拠なんだ。


いつも笑っていたね あの頃二人 せつない My Friend
あなたを想うだけで 心は強くなれる
ずっと見つめてるから 走り続けて

ここは最後にもう一度エールを送る場面でしょう。

学生だった頃、2人はいつも無邪気に笑っていたよね。
でも今のようにお互いを深く知るまでは至らなかった。今思えば切なくて、空虚な毎日だったかもしれない。

でも今は違うんだ。僕らは互いに深く信頼し合い、深く繋がっている。
だから僕は君のことを思うだけで強くなれるんだ。

君のおかげで僕は生きている。生活できている。
だから僕も君にエールを送り続ける。応援しているよ。

走り続けて。


いかがでしょうか。
彼の言動は「自分には何も出来ない」と開き直っているようにも捉えられます。

しかし、本質はそこではありません。
彼が心底彼女を「尊い」と感じているからこそ、自らが介入することを敢えて拒んでいるのです。

美しいものを見守ろうとすることも、新しい愛の形なのかもしれません。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。