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仕事が続かないのは忍耐力の問題ではないかも知れない

私は仕事が続かない。

もう学べることは一通り学んだからこれ以上消耗されてまで働く必要を感じない
将来性を感じないから仕事を変えてみたい。
「替えはいくらでもいる」と言われてるような会社ではやる気がしない。
もっと自分と相性の良い企業があるかも知れない。

そうやって感じてきた。 

それと同時に、多くの社会人は一つの会社に長く勤めているのにも関わらず、
それが出来ない自分は
「社会不適合者」
「所詮"何者でもない"凡人が何を贅沢言ってるんだ」
と責めてきた。


しかし『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』という本を読んで、雷に打たれたような衝撃を受けた。

企業に「使い捨て」にされているのはどうやら私だけではないらしい。

「新卒カードを捨てると後がない」なんてよく言われてるが、新卒採用者こそ使い捨て要員として採用を受けているというのである。

しかも高学歴の優秀な学生達が、誰もが知る大企業で…。


新卒者は入社後の研修やその後の業務の一環として、徹底的に精神面の指導が行われる

一見社会人としてのマナーを叩き込んでいるように見えるが、それは理不尽に耐えられるかどうかを試しているようだ。
違和感を覚えた者は早めに離職していくが、洗脳された者はすっかり「従順」な人間に作り替えられる。

そして会社の異様さに気付かないまま、さらに過重労働を強いられる。


ろくに会社に利益をもたらせていない下っ端は意見を言うことは絶対に許されない。

「アフターファイブや休日を謳歌するなんて10年早い。」
「まずは一人前になれ。」

そんな意味合いのことを先輩や上司に言われながら、限界まで自分を奮い立たせる。


そうやって精神的にも追い詰められた新人は次第に体調を崩し、仕事を続けられる状態ではなくなり離職に追い込まれる。


驚くべきは、ブラック企業はこのことを見込んで大量に採用しているということだ。
決して「社員が健康に長く働けるようは職場を作ろう」なんてことは考えていない

過重労働によって体調を崩した場合、本来なら労災申請しても良いはずだが、ブラック企業はこれを決して許さない。
あくまでも業務に耐えられなかった者が悪いとして、必ず自己都合退職に追い込む。

そして離職していった者は、企業によって壊されたメンタルヘルスを自己負担で治療していくことになる。


こうして、日本の未来を背負う大切な人材は再生できないほどにボロボロにされる。

鬱病はよく心の風邪だと例えられるが、精神科医の樺沢紫苑氏が言うには「鬱病は心の骨折と言った方が正しい」とのこと。

確かに、鬱病は一度でも罹患すると完治は難しい。
一度折れた心はまた折れやすくなる。

だから心をへし折られた者は、今後も健康的に働くことが難しくなる。

そして非正規雇用で低収入のループからなかなか抜けられない。
大人1人生きていくのがやっとなので、子供を持つなどもってのほかだ。


近頃、他国の強制労働について問題視されることがある。

しかし私たちは他国の心配をする前に、我が国の問題にもっと目を向ける必要があるに思う。

この問題は根が深いので、また次回に続く…

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