1分で読める短編:祈りの時間
毎晩の日課である祈りの時間もそろそろ終わりにしようと閉じていた眼を開けると、彼はそこに神を見た。神は彼に向かってこう言った。「お前はちょうど三日後の0時に死ぬことになっている。しかし、お前は私の存在を信じ、よく祈り、誠実に生きた。その褒美として、死の際にお前が心から知りたいと思う問いに対する答えを教えてやる。」
彼がクリスチャンになったのは、晩年、末期の癌が発覚して余命宣告を受けてからだった。しかし、一年あまりにも及ぶ闘病生活の苦しみは、彼に神の存在を心から信じ、縋らせ