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読書感想文 #23 『文藝春秋にみる坂本龍馬と幕末維新』


みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今日は本の感想をお伝えします。

文藝春秋にみる坂本龍馬と幕末維新

文藝春秋編

目次

幕末維新と日本人 人間の魅力13 子孫たちの証言 回顧録37 隆盛じいさんとばあさん50 私の祖母が龍馬を殺した!59 我が彰義隊敗走記76  「青い目の嫁」が見た勝海舟92 人物像 人間・明治天皇135 明治を創った巨人たち151 英雄豪傑は明治で種切れ168 維新の立役者・岩倉具視189 不運の一流・桂小五郎204 天稟の奇略家・坂本龍馬214 異端の変革者・高杉晋作224 無血開城の立役者・幕末の三舟234 実学の開国派・橋本左内245 最後の専制者・井伊直弼256 開明派の悲劇・小栗上野介266 北越の麒麟児・河井継之助276 悲運の朝敵・松平容保286 維新を彩る女人群像296 維新人物豆評伝302 新選組はゆく318 逸話集 西郷吉之助に会った話337 士族の思い出340 薩摩武士気質の祖母343 坂本龍馬の「藩論」347 大村益次郎の軍略351 「天誅組」を見た話355 生きていた新選組358 異説「瘦我慢の説」362 龍馬暗殺をめぐって365

感想 

長かった。読むのにかなりの時間を要しました。上の目次を書くのにも一苦労。裏話が満載なので、教科書と一緒に読むとより深く理解できると思います。参考書とは違いますが、教科書が必ず正しいとも限らないとわかります。

大正十五年から平成七年十月号までの「文藝春秋」とその僚誌に掲載された記事からしかるべきものを選び、主題別に編集した。

章毎に著者が異なり、人間の魅力のみ司馬遼太郎で、他はバラバラの為、文体や解釈もそれぞれになっています。

幕末から明治初期の内容ではありますが、解釈も時代によって違っているようです。昭和43年が明治100周年だったそうで、この類の話で盛り上がったようですね。司馬遼太郎さんも健在でしたので。

面白いと思ったのが、人物像の岩倉具視、桂五郎、坂本龍馬、高杉晋作あたりの章でしょうか。

維新三傑、この人々はきっと維新運動の真の目的が王政復古などにないことを知っていたと、...その人々が明治十年、十一年の両年の間に相次いで死んでしまって、...その子分である二流、三流の人々によって支配されることになりました二流、三流の連中が考えた尊王は、他の道義とは対立的だった.....尊王心さえ踏み外さなければ、他のことは少々違っても差し支えないと思ったのです。明治を創った巨人たち

西郷、大久保、木戸(桂)の三傑は亡くなり、伊藤博文や山県有朋らが明治憲法制定し政府を統治していくことについて述べています。志が違うのでしょうね。

日本のお札になったのは伊藤博文と岩倉具視で、三傑は誰もなっていません。実は最も人気のある坂本龍馬でさえも。

さてここに一通の手紙がある。協定をまとめて帰りかけている木戸が仲介人の坂本に充てたものだ。...木戸は自分の了解している協定内容を六カ条に箇条書きして坂本に確認を求めている。一、戦争になったら、薩摩は独自の立場で京阪を固める....等々である。それはいいのだが、木戸の念の仕方がしつこい。これで正しいのだろうか。私に思い違いがあれば訂正してくれ。かならず返事くれ。間違っていれば訂正し、...この手紙の裏に返してくれ...と四度も五度も繰り返す。 不運の一流・桂小五郎

桂小五郎=木戸孝允ですが、立役者なのにお札にもなれないし、三傑の西郷や大久保よりも影が薄いというのです。ものすごく頭がよく、この人がいなければ明治維新は成り立っていなかったにもかかわらず、残念な部分が多々見受けられます。こんなエピソードは教科書には絶対書かれていないですね。書いてあるのは「薩長同盟が坂本龍馬の仲介でなされた」としか。



時代の流れで日本のお札は、福沢諭吉、新渡戸稲造、渋沢栄一など政治的な偉人よりも文化的、経済的な偉人が対象になってきていますね。

一流で英雄だった、維新三傑と坂本龍馬、高杉晋作あたりをお札にしてもよいと思います。3度の島流しでも人気人望のある西郷どん、逃げ回って上記のくどさのある木戸なんか、人間味があっていいと思います。


この本はAmazon等では売っておらず、図書館で借りました。本屋にもないかもしれません。


それでは、また。

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