「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はなぜ大ヒットしたのか
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今日は昼前から雨で、しかも肌寒くて、5月とは思えない天気でした。
今日はテレビ東京系列の人気番組でローカル路線バス乗り継ぎの旅(通称”バス旅”)というのが2007年から現在まで放送され続けていて、映画化までされて、なぜ人気があるのかについてお話します。
厳密にいうとシリーズ1は2017年に終了し、メンバー入れ替わって現在はシーズン2で番組名もローカル路線バス乗り継ぎの旅Zとなっています。
今回はシリーズ1に限定したお話です。
概要
番組をご存知ない方もおられると思いますので、まず概要
シリーズ1では太川陽介、蛭子能収の出演で、ゲストのマドンナは一昔前に売れたタレントや女優といった感じでした。ナレーターのキートン山田が出演者の行為にツッコミを入れたりもしていました。
地方の本数の少なさや終バスの早さ、さらに県境あたりでバス会社が変わることで、バス路線がなくなり、山道を10キロ以上歩く過酷な状況もしばしばありました。
土曜日の単発企画が、予想外に好評で、レギュラー化され、さらに回数も増え、その後まさかの映画化(台湾編)に至ったのでした。
レギュラー2人のキャラクター
次にレギュラーの2人を紹介します
太川陽介
蛭子能収
実に対照的というか真逆の2人で、水と油であり、交わらないのをゲストの”マドンナ”が和らげるような役割になっていました。
人気があった頃の番組評価としてサラリーマンタイプの太川、社会不適合者の蛭子のように表現されたりしていましたが、実はそうではなくて、誰しもこの両面を持っているのだと思います。
対照的な二人、実は…
そこで以下のように仮定してみます。陽と陰ではなく。
太川は理性
蛭子は本能
人が頭の中で、ゴールを達成する為に欲を我慢して理性で必死にやるか、あるいは高齢でもあり、長い距離を歩くのは辛いから休もうという本能的なものを優先したがるかというのが葛藤であり、ところどころで選択する機会がでてきます。
一見、真面目な太川の判断が正しそうですが、蛭子の判断のほうがかえって正しい時もあったりします。蛭子が途中からビジネスホテルを好むようになったのも”ワガママ”とみなすこともできますが、それによってストレスなく疲れを取れるという見方もできるでしょう。
田舎で最終バスが行ってしまったり、県境で10数キロ歩くかといった極限に追い込まれた時の人間の本性というか、理性と本能がどうしたらいいのかという葛藤を太川と蛭子が演じ、険悪になりそうな雰囲気をマドンナがなだめる。
実は自分の内面を映像にしているかのような番組のため、視聴者が引き込まれるような感じになるのでしょう。
それを製作者はおそらく当初は意図しておらず、なんでそんなに人気なんだろうと思っていたに違いません。
番組は視聴率低迷ではなく、蛭子の体力の問題から、二人は卒業し、現在は別のメンバーに引き継がれています。
このような理性と本能の葛藤する愉快な番組、また誰かが作ってくれたらいいのにと思います。
それではまた。
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