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読書感想文 #2 『謎の独立国家 ソマリランド』

皆さんこんばんは。いかがおすごしですか。

今日は、「謎の独立国家 ソマリランド」という本の読書感想文を書いてみます。


著者である高野秀行氏が、資料が少なく、「自分の目で見てみないとわからない」と「ソマリア」に実際に訪問した時の話です。

いわゆる「ソマリア」は大きく3つの地域に分かれているそうです。

①ハイパー民主主義国家 ソマリランド

「ソマリランド」は、同著が発売されたその後に、テレビ番組「未来世紀ジパング」でも取り上げられた平和国家です。
話し合いで和平実現したものの、国連等世界から未だに独立を認められていないところです。
著者は、地上に実在する「ラピュタ」と表現しています。
また、ソマリの世界は、民族ではなく、氏族社会だそうです。
例えば、「分分分分家」を翻訳すると、「中部地方、長野県、南信、伊那...」みたいになるらしく、わかりやすい表現です。
ちなみに「前前前前世」という大ヒットソングが数年後にリリースされますが、ネーミングの由来がもしかしたたら、ここからか?と思ってしまいました。

〇ソマリア三国志
・イサック 奥州藤原氏
・ダロッド 平氏
・ハウィエ 源氏

また、著者は氏族を上記のように、日本に例えて表現しており、読んでいてイメージが沸きやすくなります。

また、ソマリランドには、覚醒植物「カート」で社交の文化があるらしく、著者も現地の人達とカートを毎晩たしなんで、楽しんだり、打ち合わせしたりしていました。

②海賊国家 プントランド

著者が取材しようと、海賊行為の見積を現地の人と話して、記載していました。
身代金-1億円
・初期投資
根回し経費、ボート代と海賊の日当、武器レンタル代、カメラマン代等
・成功報酬
通訳代、長老および有力者の取り分。
身代金の相場は、人質ではなく、タンカーの積荷によってきまるそうです。

海賊は貧しい漁民が行っているそうです。それにしてもすごい情報ですね。

③戦国南部 ソマリア

著者は「リアル北斗の拳」と表現し、無法地帯ということでしょうか。
90年代に、和平に国連軍が登場し、事情に無知で情報が筒抜けで、アメリカ兵犠牲となり、路上に引きずり回される映像にショック、米軍撤退のニュースが世界に流されました。
首都モガディショは、20年内戦が続いているにも関わらず都心が繁栄しているようです。

日本も江戸末期のペリー来航から、大政奉還あたりまでで、例えば京都では、暗殺は日常茶飯事で、各藩と新選組とかスゴかったわけですから、ソマリアやシリア等の混乱も、全く理解できないわけではないかと思います。


取材後も、著者は何度もソマリランドに「帰った」そうです。余程気に入ったのでしょうね。

こういう好奇心と行動力は、見習いたいですね。結果、著者は誰よりも「ソマリア」に詳しくなったわけですからね。

それでは、また。



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