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顔崩れだって愛されたい


顔整い:
顔が整ってる人のこと。俗に言う美人や可愛い人たちのこと。主にそういった女性へ当てられていることが多い言葉。


私は、恐らくTwitterで生まれたこの最悪なワードをかなり気に入った。容姿が整った人間に対して自分抱えている醜い無様な感情を簡潔に表してくれたと思ったから。全くこれだからTwitterはやめられないよね。

対義語を作るならそうだな、『顔崩れ』とかかな。うわ自分で言ってて心に刺さったわ。でも何となくだけど、「ブス」と対になるのは「美人」だし、「不細工」の対になるのは「可愛い」な気がするからこれがしっくり来る。どうも顔崩れ不細工ブスです。うん語呂もいい。にしても最悪な言葉だな。この記事以外で使う機会が一生無いことを願うよ。


さて、顔整いの皆さんはありますか?可愛い可愛い友達の横で空気同然のモブになったこと。学校とか会社とかのコミニュティの中で誰かが分類する“お気に入りの子”と“そうでない子”の
中で勝手に後者へ割り振られ、明らかに異なる態度を取られたこと。褒め言葉に飢えすぎていて、ナンパなんて嬉しくないはずなのに知らんおっさんからの「素敵だなと思って」とかいう社交辞令にぬか喜びしてしまったこと。ノリノリでキメて撮った写真を見返したとき、あまりに崩れた顔面の造形に絶望し、もう二度と他撮りは撮らないと誓ったのに気づいたら破ってしまうこと。深夜に『整形 失敗』で検索かけて怖くなって、何で私こんなこと調べてんだろって泣いたこと。友達からの好きでもない人に迫られて困ってる系の恋愛相談を真剣に聞きつつも、心のどこかで訳の分からない劣等感を抱いてしまって自己嫌悪に陥ったこと。私も恋愛経験ないから仲間だよって言ってた子に「告白されて2ヶ月くらい付き合ったことはあるけどあれはノーカンだから」と言われて「ああ」ってなったこと。「そのちっさい目にコンタクト入んの?」とか「ウインクしても目小さいからどっち瞑ってるか分かんない」とかいって笑われたこと。褒められもしない化粧に1時間も2時間もかけたこと。どれだけやっても特に変わらない自分の顔に疲れたこと。よく見られたいから、と人一倍見た目に気を使っていたつもりだった自分よりも後に服や化粧に興味を持った顔整いが、みるみるうちに垢抜けていって、謎に置いていかれたような気持ちになったこと。


…なんて、自分磨きもそこそこにしかしてないくせに顔整いとの差ばかりに注目しては妬み嫉みにまみれにいってる自分は、見た目も中身も心底汚くて醜い。鏡の前とインカメと頭の中で想像する自分は愛せるはずなのに、ふとショーウィンドウに映ったり他人から撮られたりした自分の姿はビックリするほど崩れている。蓋を開ければあらネガティブ。こんな奴を誰が愛してくれるというのか。自分ですら自分を愛せていないというのに。分かってる。でも、顔崩れに優しくないこんな世の中じゃ、性格が崩れていくのも無理ないよねっていう言い訳をさせてくれ。そうでもしないと保てないんだ、自分をすんでのところで支えている何かが。


それでも、こんな顔崩れで暗くてネガティブでどうしようもないオタクで社会不適合者な私でも、誰かに特別な存在として愛されたくて愛されたくて堪らないんだよ。


私にはあなたしかいないんだと、唯一の存在として想われてみたい。それを伝えずにはいられないほど思い切り愛されてみたい。私にはあなただけで、あなたには私だけで、そういう関係が恋人同士だと私は解釈してるから。それを無意識下で思っても許されるのが恋人だと思ってるから。正解は知らん。

だって、友達にこの感情と関係性を押し付けるのは重すぎる。私はこの子の唯一の存在なんだと勝手に期待し思い込んでは、全然違う子と遊んでいるストーリーが頻繁に上がるのを見たり、私だけに話してくれた内容を他の人にも相談してたりするのを見て、勝手に裏切られた気分になって傷つく。そういう馬鹿みたいな自傷行為には、もう疲れ果てたんだ。

日々、自分を傷つけるための刃を研いで生きているような気がする。そりゃ身も心もボロボロにもなるよねー。

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