ここがスゴいよ!秋元康〜オススメ歌詞選〜
関ジャムで秋元康特集が組まれる。放送前にこれを書いているからまだ観ていないけど、予想できる展開として『川の流れのように』『海雪』『フライングゲット』あたりが紹介されて、異常な作詞ペースなどの小ネタを挟み、ゲストの杉山勝彦が手がけた『きっかけ』『サヨナラの意味』などの話に発展していくんでしょう。
物足りない。
秋元康の歌詞は1時間で味わい尽くせるものじゃない。
青春を秋元康一色で過ごした私が素晴らしいフレーズを紹介していくから、みんなで一緒に康に浸ろう。
※この記事内には秋元康プロデュースアイドルの歌詞しか登場しません
このキャリアでこの歳で、秋元康はまだ新学期の期待と不安の入り混じる様をフレッシュに描写できるのか、と驚いた2020年発表の曲。電車の窓に反射で映る制服をチェックしてしまう感じが男女問わず「あるある」なんだけど、それをしている女の子は可愛いんですよ。一人称視点でこのシーンを見れば「あるある」なのに、三人称視点でこのシーンを見ると新学期の可愛い女の子が目に浮かぶ、って歌詞としての魅力が詰まりすぎてませんか?
同じバスに乗ってる好きな子との共通点を描写するときに、乗ってるバスで「おっとっと」ってなるシーンを普通選びますか?それは共通点とかじゃないだろ。「僕らはひとつになる」じゃないのよ。
でも、この発想が康ですよ。常人では思いつけない歌詞。
涙の描写ね。傘を差してるのに頬が濡れるんですよ。不思議ですね。なんでですかね。泣いてることを雨に例える歌はたくさんありますが、その中でも群を抜いてお洒落なフレーズです。
そしてこの歌にこんなタイトル付けれますか?こんなに会いたく"ても"、こんなに好き"でも"、の涙ですよ。洒落てますねえ。
壁に貼った好きなアイドルのポスターを眺めてるだけの歌。この発想が康。康は本当に悶々とした少年を描くのが上手い。ポスターとして誰よりそばにいるけど現実では手が届かないっていう距離感の描写で、主人公の気持ちが切なくて馬鹿らしくて愛おしくなる。
夢を追いかける人の歌なのに恋愛の面からアプローチしているのが巧み。目の前の自分との恋愛を「現実」と言ってしまうところも良い。自分との現実的な恋愛よりも、夢のその先は輝いて見えてしまう残酷さが切ない。
歌詞中にある"ありがちな恋愛"ってワードは自分の恋愛を俯瞰で見てるし、その恋愛への諦め、割り切りを感じる。
"ありがち"をつけるだけで"恋愛"という言葉を新たに彩った素晴らしいセンス。
めちゃくちゃ当たり前のことを言ってるって言えばそうなんですけど、思い描いた未来に進むためにはその瞬間に一歩踏み出すことが大事って実はかなり真理なんじゃないかと思って、自分の転機では時々この歌詞を思い出します。
「桜の木になろう」って初見じゃ意味わからないじゃないですか。これ卒業ソングなんですよ。全文を見るとよくわかるんですが、高校の卒業を機に進学とかするのかな?付き合ってた2人は離れ離れになるんですよね。大人になるためのピリオドを打つわけです。女の子は主人公と別れて新たな一歩を踏み出す、その決心の象徴が桜の木なんですよ。だから桜の木を思い出して、これからも頑張れよって歌なんです。いま桜の木=決心って言ったんですけど、そのあとを読むと桜の木=愛の場所でもあるんですよね。別れを選んでも快く送り出すことって愛じゃないですか?だからあんなに愛されていたんだ、あんなに強い気持ちで新たな一歩を踏み出すと決めたんだ、ってことを胸に頑張ってねって歌です。いい歌〜
思い出の曲をふいに口ずさんで色んなことがブワッと思い出されてくることってありますよね。
好きだった人との思い出の曲は自分の中では実質その人とも言えるはず。
懐かしい思い出の恋を美しく描いた歌詞。
ちょっとメタ的な話にはなりますが、この曲はAKB48が10周年だったことを記念して前田敦子や大島優子など卒業メンバーが参加して現メンバーと一緒に歌ったシングルなんです。その情報ありきだとよりわかりやすいと思います。前田敦子もメロディーだし大島優子もメロディーなんですよ。あの頃のヒットソングの象徴なので……
どうでした?
あくまでも僕の解釈で歌詞の話をしたんですが、魅力が少しでも伝わってると嬉しいですね。
いつかトンチキ歌詞集や失敗歌詞集なんかも書きたい。
このnoteで秋元康はただの太ったおじさんでも、『セーラー服を脱がさないで』を書いただけのキモいおじさんではないことが1人でも多くの人に伝わってほしい。
あの歌は本当にキモいけど。時代のせいか?
コメント欄に推し康ください。みんなで共有しよ。
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