#69 アジア各地の東京駅

東京駅の赤レンガが特徴的な駅舎は1914年に完成した。1923年の関東大震災は耐えたものの、東京大空襲によって大きな被害を受けてしまう。しかし、2012年、創建当時の姿に復元され、現在もその姿を見ることができる。

さて、東アジア各地に東京駅に酷似した建造物がある。

この駅舎は日本統治時代の1925年につくられた韓国最古の駅舎である。駅前の広場には、1919年に朝鮮総督の齋藤実を殺害しようとして爆弾テロを起こして処刑された姜宇奎(カン-ウギュ)の銅像がある(数十名の死傷者を出すも齋藤は無事)。

次に、旧満州の奉天駅(現在の瀋陽駅)の駅舎である。

設計者である太田毅は、東京駅の設計者である辰野金駅周辺の建築様式の影響を強く受けていることが分かる。
現在でも駅舎として利用されており、駅周辺は赤レンガの建物で統一されるなど、駅舎を中心にした街づくりが行われている。

最後は台湾総督府である。

こちらは東京駅と国会議事堂を足して2で割ったような外見をしている。日本統治時代の1919年に総統府として完成し、現在も総統府として利用されている。

朝鮮・満州・台湾、それぞれ東京駅と酷似した建物が残っていることに、日本統治時代の歴史の片鱗が見て取れるのである。

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