見出し画像

#375 浮世絵はどうやって描かれる?

浮世絵は、江戸時代に庶民の間で大流行した。
江戸時代以前、絵は貴族や武士など、一部の権力者が楽しむ芸術だった。

庶民が浮世絵を楽しむことが可能になったのは、浮世絵が大量生産が可能な「版画」だったからだ。

現代人が「絵を楽しむ」と言うと、美術館や有名画家が描いた絵を見るという姿を思い浮かべるだろう。

しかし、浮世絵の楽しみ方は違った。]

人々は、お店で大量に売られている浮世絵を買い求めた。
値段はおよそ20文程度、当時の蕎麦1杯より少し高い程度だったそうだ。
現代の値段で言えば数百円~千円くらいだったと思えば良いだろう。

風景画や歌舞伎などの役者が描かれた浮世絵は、現代で言えばさしずめトレーディングカードや絵葉書、アイドルの写真のようなものだったのだろう。

版画としてつくられた浮世絵は、分業でつくられていた。
主な役割は、版画の元となる原画が描く絵師、原画をもとに版を彫る彫師、版に絵具をつけて紙に摺る摺師の3つである。

その工程は以下の動画で見ることができる。

また、多色摺りの浮世絵は、使う色ごとに版木を変える必要があった。
そこで、重ねが色がずれないように版木に目印をつけた。
この目印のことを「見当」という。
「見当をつける」「見当が外れた」といった言葉の由来である。

多色刷りの工程が分かる動画がこちら。


浮世絵は大量生産が可能な「版画」であるということ。

それ故に庶民も親しむことができたこと。

この2点が浮世絵を授業で扱う上で重要な点である。

【目次】

【参考】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?