#290 教科書に出てくるあの鉱物の使い道

地理の教科書や地図帳にはさまざまな鉱物や写真が登場するが、意外と説明されないものも多い。

鉄鉱石や銅鉱石、金鉱石であれば名前から想像しやすいが、その他の鉱物はいったいどんなことに利用されているのだろうか。

ボーキサイト

ボーキサイトは知っている人も比較的多い鉱物だろう。
ボーキサイトはアルミニウムの原料で、オーストラリアや中国で産出される。

アルミニウムは電流を流して電解精錬と呼ばれる方法で精錬するため、ボーキサイトからアルミニウムをつくる際に大量の電力を消費する。
アルミニウムが「電気の缶詰め」と言われるのはこのためである。

ニッケル

ニッケルは、耐食性(サビに強い)の高いレアメタルで、フィリピン・ロシア・カナダ・オーストリアなどで産出される。

日本では50円硬貨の素材にもなっている。
サビに強いことから、身近なところでは食器や調理器具に使われている。
その他、医療機器や建築物など、私たちの生活に欠かせない金属の1つである。

チタン

チタンは、軽くて強度の高いレアメタルで、主にオーストラリア、中国などで産出される。

その強度と軽さから、身近なところではゴルフのドライバーヘッドやテニスラケット、自転車に利用されるほか、航空機や化学プラント、建築など幅広く利用されている。

レアアース

レアアースは単体の金属ではなく、「希土類」とよばれる金属の総称で、レアメタルの一部である。
中国が世界の産出量の大部分を占めており、日本も中国からの輸入に依存している。

レアアースの代表例は磁石に用いられる「ネオジム」だ。
「レアアース」と1くくりにされることが多いが、種類や用途はさまざまなので、詳しくは以下のHPを参照願いたい。

タングステン

こちらも現代の技術とは切っても切れないレアメタルの1種だ。
タングステンもまた中国が世界の生産の大部分を占めている。

タングステンは金属の中で最も融点が高い(約3422℃)ことから、古くは白熱電球のフィラメント(光っている部分)に用いられていた。

こちらも用途は幅広く、自動車、医療、半導体、工具、家電、照明などに用いらている。

タングステンという言葉は、スウェーデン語で「重い石」という意味を持つが、文字通り重い金属のため、身近なところでは釣りの重りなどにも利用されている。

【目次】

【参考】


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