#243 動画で見る関東大震災

9月1日は「防災の日」。新学期早々避難訓練を行う学校も多いのではないか。今では半数以上の人が防災の日の由来を知らないらしい。

防災の日は、100年前の1923年9月1日に起きた関東大震災に由来している。
関東大震災は、死者・行方不明者は約10万5千人(東日本大震災のおよそ3倍)という未曽有の被害を出した震災である。死者・行方不明者のうちおよそ9割は火災によるもので、残りの1割は家屋の倒壊によるものだった。

相模湾北西部が震源となった地震のマグニチュードは7.9(ちなみに阪神淡路大震災のマグニチュードは7.3、東日本大震災は観測史上最大の9.0だ)。
東京・神奈川・千葉を中心におよそ11万棟の建物が倒壊した。

さらに、地震の発生時刻はほぼ正午で、多くの家庭で昼食の準備が行われていたことから出火が相次ぎ、火災による被害が大きかったことが関東大震災の特徴である。

大規模火災が起こった地域では、炎や熱風が渦巻いて立ち上がる「火災旋風」が発生した。隅田川付近で発生した火災旋風の様子を描いた絵が残っている。

関東大震災の頃はすでに動画撮影の技術があったため、その被害の様子が記録されている。次の動画には、震災後の東京周辺の様子が残されている。

相模湾沿いに面した根府川駅周辺では、大規模な地滑りが置きて駅の一部と電車がそのまま海に沈んでしまった。その遺構の一部は現在でも根府川の海底に眠っている。

また、こちらのDVDブックの解説もコンパクトにまとまっていておすすめである。

関東大震災では、「人災」とも言える被害も相次いだ。
当時の日本は朝鮮を植民地支配しており、日本でも多数の朝鮮人が暮らしていた。しかし、朝鮮人が反乱を起こすのではないかという不安から、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言が広まった。
住民たちは自警団をつくり、朝鮮人を虐殺した。

その時の様子は絵巻物として現代にも残っている。

自然災害としても、人災としても、関東大震災は忘れてはならない。

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