#4 島原の乱で一揆軍を苦しめた意外な敵とは?

島原の乱(島原・天草一揆)において、オランダ船が海から一揆軍に砲撃を加えた。その様子が分かるのが「嶋原御陣図」である。こちらからフリーで見ることができる。絵の上部の海にオランダ国旗を掲げた船が何艘か描かれている。

理由①日本との貿易を独占するため
 スペイン・ポルトガルと対立していたオランダは、日本との貿易を独占するために江戸幕府に接近していた。そんなオランダにとって幕府の要請に従い一揆軍に攻撃を加えることは幕府の信用を得るチャンスだった。

理由②宗派の対立
 当時、スペイン・ポルトガルから日本に伝わっていたキリスト教の宗派はカトリックだが、オランダはカトリックと対立していたプロテスタントを信仰していた。そのため、宗教的な対立も背景にあると考えられる。

理由③援軍がいないと思い込ませる幕府の策略
 一揆軍は、各地に使者を送り援軍を期待していた。その期待には日本にキリスト教を伝えていたポルトガルも含まれていた。そのような状況で、幕府は同じヨーロッパのキリスト教の国であるオランダに攻撃させることで、一揆軍に「ヨーロッパからの援軍は来ない」と思いこませ、精神的なダメージを与えるという目的もあった。

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