限界貧困でもできる遊び、上級編
初級編はこちら
11・石をひろう
初級編まで読んだ方にとっておきの遊びをこっそり教えます。知っている人は知っていて、かなり楽しんでいますが、ものすごく楽しいので、なかなかめったに教えてくれません。石拾いです。街の石、海の石。それぞれに趣があります。ひとんちのものじゃないことを確認してね。金属のリングがついているダイヤモンドの石が落ちていたら交番へ。石というのは氷山の一角。海なら砂や流木、公園なら木の葉や松ぼっくりなんかもあなたに拾われるのを待っています。どんぐりに虫がいるか気になるなら、ぐらぐら煮よう。
家に持ち帰り、洗い、並べ、お気に入りを決めたり、文鎮にしたり。人に贈ってもいい。喜んでくれる人ならね。
12・部屋の模様替え
ここにきてすごく実用的なあそび。模様替え、すごく好きだ。片付けは苦手なのに、部屋のアイテムの位置を変えるのはとてつもなく興奮する。つたない自分の家が、拾ってきたものや、もらったものや、切り貼りしたもので、少しずつよくなっていく。人が遊びに来ることを想像しながら、その人のスペースを用意する。すべてが模様替えだと思えば、掃除機をかけることも、洗面台の排水溝をみがくことも、電子レンジの皿の食べ物の''しみ''を拭くのだって、楽しくなってくる、はず。なのにカーテンは布団カバーで代用したまま。なぜならこれは、お金を使わない遊びなので…
13・美術をたのしむ
無料で入れるギャラリーはたくさんある。最寄りのギャラリーを見つけよう。歩いて行けるならすごいことだ。電車に乗ってもいい。東京にいて、デザイン系なら銀座のgggとか、G8とかどうなの。先輩の受け売りだけど。(日曜やってないトラップ)さいしんのびじゅつならCALM&PUNK GALLERYとかでしょうか。先輩の勤務先だけど。Instagramで好きなクリエイターをフォローすれば、展示のお知らせが流れてくる。
【ここで勝手に宣伝】友人で画家の雪下まゆ氏が1/17から個展をするそうです。私のモデルになった作品がたくさんあるそうなのでぜひ。
そして美術・自分でやる説。実は身の回りにたくさんチャンスがあります。まずはスマホについてるカメラ。これは超誰でも始められる写真入門ですね。もともと入ってるカメラはもちろん、いろんなカメラアプリがあるね。フィルム風とか、モードなフィルターとか、Instagramのストーリーでフィルターを見つけたり、GIFをコラージュするのも美術のなかまでしょうね。友達撮ってみたり、ご飯撮ってみたりから、クスッと笑える瞬間を収めるまで。ピンタレストでお気に入りの写真やイラストを集めるのも美術の鑑賞のムーブ。
シール貼りもいいですね。誰でもできる簡単なお美術。ステッカーをもらった?PCに貼る?スマホに貼る?どこに貼るか考えるのもたのしいね。あれもびじゅつ。これもびじゅつ。家にある雑誌の好きなページを切り取って部屋に貼るのもたのしい。
そしてお絵かき。これぞ0円、紙とペンさえあればできる遊び。丸描いたって四角描いたっていい。クレヨンで描いてもいい、iPadで描いてもいい。自分の倫理観が許すなら醤油で描いてもいい。文字を装飾したっていい。何描いていいかわからない人はまずEmojiを真似して描いてみよう、かわいいので。人に見せても見せなくてもいい、恥ずかしくなったら合法の場所で燃やしたっていい。紙とペンがない人は次の項目へ。
14・公園へ行く
紙とペンがない人は地面の土に石でよろしい。太古から続く遊び。
公園はここまで書いたほぼすべてのことができる魔法の空間。歌ったり踊ったりは小さな公園なら気をつけた方がいいかもだけど、太極拳をやっている人は見ました。あまり移動しないし音も出ないので迷惑かけてなかったし、ラジオ体操なんかもいいんじゃないでしょうか。特にジャンプが楽しいです公園は。高いところに行ける遊具もある。子どもをぜひ優先するように。
近所の小さな公園もいいですが、芝生のある、大きい公園を探してみよう。
家に布はあるか?レジャーシートがなくたって布で代用できる。ベンチがあるなら布さえいらない。大きな公園はすごい。歩ける。走れる。踊れる。歌える。そしてそれらをするとあなたの休日に「ピクニック」という称号が与えられる。休日じゃなくてもいい。むしろ、公園じゃなくてもいい。そこにベンチがあれば、路上飲茶も、本も読める。おにぎりも持っていける。これであなた、お昼休みの1時間をピクニックにする魔法をおぼえましたね。
15・宇宙人のふりをする
たった今、あなたは別の惑星から地球に転送されてきた。ことにする。
目の前に人間がいる。この生き物は、うちの星と同じように、繁殖行為をするだろうか。それとも、ここにある本も、繁殖行為をするか。この間接照明はどうだ。このストーブは。自分の性器を服の上から確認する。この本と、性器は、交信可能か。股を広げて、本を開いて、何が起こるか待ってみる。
何も起こらないのでキッチンの方へ行く。こびとのための移動手段のような、丸い碗が油だらけで積み重なっている。可哀想に。人間の食事の為にこき使われ、汚され、ほったらかされている。この通りだ。今、お風呂に入れてあげますからね。かゆいところはありますか。これが人間のコミュニケーションときいた。乾くまで、しばらくさかさまになって待っていなさい。
16・自分が持っているものを、人にあげる
これは自分の遊びの中でも、かなり好きなことのひとつだ。
まず、部屋を見渡してほしい。人にあげられるものはないか?持て余しているなら、売るよりも人にあげるのが楽しい。例えばもう読んで満足した文庫本、受験の時に使った道具、趣向が変わって着なくなった服、ストックとして買いすぎた泡立つなにか、好きなだけ眺めたポストカード、もらいすぎたくだもの、色の合わなかった化粧品などなど。実は家の中は、人にあげられる、「大事なものだが飽きている」ものであふれている。
友人が家に遊びに来て、ちょっとこれ借りるね、なんて着た服が私よりフィットしていたらそのままあげてしまうことが多い。
本当にいらないものを捨てるような気持ちであげても面白くない。飽きているけど少しだけ後ろ髪引かれるくらいのものが贈り物にちょうどいい。自分では本来の価値を忘れているものが、相手にはとても嬉しい一品になるようなもの。自分の中で停滞していた価値観が揺さぶられてワクワクする。
贈ったものに出会えた時がこれまた楽しい。友人に会って、SNSで。そういえばあんなのあげたな、なんて。たとえ友達がフリマに出してたとしても面白い。自分がいちど関わったものが自分の手を離れて周囲の世界をぐるぐる浮遊しているのは、なんとも不思議な心地がする。土に埋めないタイムカプセルのようで、いちどやるとくせになる。うちでは輝けなくても、いちばんそれを必要とする人のところに行ってらっしゃい。たまに思い出して、借りに行くこともある。それも会える人に贈るいい点。
17・人の家に遊びに行く
お金のかからない遊びナンバーワン説。「交通費がない」と言う人は限界なのでさすがにささやかな労働をおすすめするが、歩いて行ける友達の家ほど貴重なものはない。もしあなたが周りにそんな友人を持っているなら、頻繁に訪れることをおすすめする。相手がよければ。
卒業、転勤、引っ越し、仲違い。環境の変化を想像してほしい。そんなことになる前に、行っておくが吉。会える時に会え。愛せる時に愛せ。私は特に友達の実家が好きだ。実家なら、りんご1個くらいはお土産に持って行った方がよいと思うがいつも忘れてしまうし、なんならりんごをお土産に渡されて帰ってくるのが常。私にできることは、彼らの家の繁栄を願うこと…
18・たらればに浸る
いま自分が生きている世界線だけが現実、そんなわけがない。
まずそこから考える。全てを疑う。例えば自分は1年浪人しているが、現役で入学していたら?たぶん椎名林檎の「私と放電」で泣きながら徹夜していなかったので、吉田山田が好きなままハッピーハッピー人間として大学生活をスタートしていたことになる。そして今の同学年の友人はひとつ下の学年になる。つまり去年あの2人の友達と一緒にうちでだらだらしている時に突然思い立ち、林檎班に入会していなかったかもしれない。
もし北海道に生まれていなかったら?上京する時にこんなにも錯乱し、カルチャーギャップにアテられていなかったかもしれない。もっともっと冷ややかな目で世界を見ていたかもしれない。きっと高校時代にzipperみたいな格好をガツガツにやって読モ的なことになっており、大学時代は気が済んでコンサバファッションか全身モノクロイッセイミヤケ的コーデでカルチャー系の出版社とかに勤めていたかもしれない。でも2年くらいでやめて詩人を目指していたかもしれない。実家が東京にあったら大学時代も厳しい門限の中で過ごしていたかもだけど、貧しく寂しい思いはしないで済んだかもしれない。もし姉妹の妹でなく姉として生まれていたら?この話はまた今度‥
19・夢日記をつける
お金がかからない遊びを紹介してきたが、これは一番危険な遊びだ。
だいたいこんなこと今考えてどうするんだ、そういうことが頭をよぎった時はそれを放して本来考えるべきことを考えるのが人間というものだ。例えばアラームがなっていて、朝だとか、何時だとか、そういうことだ。でも、起きた瞬間ふと残っているイメージを捕まえ、のびのび自由にさせる。スマホのメモに残してもいい。人に言ってもいい。インターネットでご披露してもいい。ただし本当に気をつけて欲しい。夢日記をつけると夢が調子に乗ってくる。さらにド派手な夢を見せてきたりする。起きないといけないのに睡眠に戻ってしまったりと、現実世界にかなり支障をきたすこともあるだけでなく、やわらかな精神の持ち主の場合、精神に異常をきたすことがある。だからもしやる人は頑丈なメンタルを持っているのを自他共に認められる人だけやってくれ。大変に気をつけてやること。さもなくば、ときたまの私のように寝ることがメインの人生になるぞ。どうしても気になる人は、図書館でユングや河合隼雄を読んでからやったらよし。
20・人にポソンを履かす。
こちら、瀧波ユカリ先生からいただいた韓国のあたたか靴下、ポソンです。ポソンが家にある人は誰でもできます。来客者がこごえていたら履かせましょう。日本のあたたか靴下でも代用できます。
以上、限界貧困でもできる遊び上級編でした。
また最後に一枚写真を載せとくのでよかったら課金してね!サポートされると限界貧困が一瞬だけ脱出できるかもって気がしてきました…いただいた課金で路上飲茶の茶葉クオリティあげます…😌🙏🙏
以上、各自あたたかくして過ごし、お金を使ったり使わなかったりして遊んだり、泣いたり、笑ったりするように❗️😆
はましゃか
(写真 @selfie_artworks / @takahakai / @meg_omori)
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