珈琲の大霊師250
リルケさん数カ月の時を経て合流!役立つよー!ついでに、世界中の花を制覇するのだ!
それにしてもジョージさん、変わらないなぁ。でも、なんだかまた新しい厄介事を抱えてる気がする。
主に、目が見え無さそうなのに、さっきから私の事を見ちゃってる女の人が!!なんだろう、それ以外は普通に見えるのに、この人を怒らせちゃいけない気がする。
「こんにちは?」
とりあえず、話し掛けてみる。
「こんにち……は。お花が、好きなの?」
「えっ?」
うん。それは好きだよ!プワルっ娘だし!でも、どうして分かったのかな?
「うん。好きだよー。でも、どうして分かったの?」
「あ………光の、中に、とっても広い、お花畑が見えて………」
光の中に?光ってなんだろう?
「あー、まあ、見た通りこいつ、カルディっていうんだが、目が見えない替りに俺達の魂が光になって見えてる?らしいんだわ」
「そうなんです」
「そうなんだー。私、リルケ。花の精霊やってます!目標はどどんと花の大精霊!よろしくー」
「花の、精霊さんですか?」
「あい!」
「明るい、精霊さんですね。私は、カルディです。ジョージさんが名付けてくれました」
「へー、そうなんだ。よろしくねー!」
名付け親になる………って、どういう事情なんだろ?後でジョージさんに聞いてみよ。
「あ、そうだモカナちゃん。珈琲ちょうだい♪」
「あ、はい!美味しいの淹れますね!」
モカナちゃん、嬉しそうに走って行っちゃった。また会えて嬉しいな。モカナちゃんもそう思ってくれてるのが分かって、にやけちゃうな。
「あいつ、また腕上げたんだよ。楽しみにしとけ」
「ジョージさんも、相変わらず珈琲ばっかりだね。なんかこう、もっと再会を喜ぶ熱烈な表現とか無いのかな?」
「なんだ?花をジロジロ見て、綺麗になったなとか言えばいいのか?」
「花は元々綺麗なものですー」
ジョージさんは変わらず気さくだ。ふふ、これからの旅が楽しみだな!
リルケとリフレールが久しぶりの再会を楽しんでいると、暗い顔、というより呆れたようにも見える顔でバリスタがやって来た。
すぐに何かあると気付いたジョージが腕にリフレールを携えてバリスタを迎える。
「よう、2週間ぶりだな。……どうかしたのか?」
「お帰りなさいジョージさん。まったくふざけた連中が現れました。大した問題ではありませんが、こう、呆れてしまいましてね……」
「へえ……その口ぶりだと、どうにも愉快な連中が現れたらしいな?」
「ええ。不遜にも、珈琲の第一人者を自称する連中が4人も現れたんです」
ね?呆れるでしょう?と言わんばかりに、バリスタが肩をすくめた。
「はっ!?……ぶっ!!ぶはっはっはっはっは!!それ本当か!?そうかそうか成る程な。学問として最初の瞬間になるわけだから、現状この学問には公式に認められた第一人者はいない。つまり、名乗り出れば起源を主張できるってわけだ」
「そういうわけです……。全く、無謀な連中ですよ」
「はぁ、呆れましたわ。こちらは珈琲を世界に広めている唯一の商会が後ろに着いておりますのに。愉快な方々ですね」
リフレールはまるで脅威に思っていないようだった。
「まあ、それを知ってか知らずか。恐らくだが、ここでの第一人者の認定っていうのがそれだけ公式としての認知度が強力なんだろう。ここで認められれば、最悪商会を許可を得ずに技術を流用しているとか言って訴えることもできたりな」
「はい、そうです。珈琲の大霊師も、現状では口伝えで伝わっている噂のようなもので公共性がありません。そこで、自分が名乗り出て利益を貪ろうという身の程知らずが現れたわけです」
「……まあ、いいんじゃねえか?」
ジョージは不敵に笑う。
「審査するなら審査員がいるんだろう?そいつらの目の前で、比べて貰えばいいさ。そうすりゃ分かる。本物ってのが、どれだけの説得力を持つかってのがな」
悪いことを考えている顔だ、とシオリは苦笑いしていた。
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