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むかしむかしのその昔⑭            最後の春休み

3月の終わりになるといつも思い出す歌がある。
それはユーミンの「最後の春休み」。

春休みのロッカー室に忘れたものをとりに行った
ひっそりとした長い廊下を歩いていたら泣きたくなった

荒井由実「最後の春休み」

これだけで胸がキューーンとなって、ほんとに
高校生のときの長い廊下に立っているような気になる。

最近、「note」の投稿を読んでいて思い出したことがあった。
それは高校3年のときに、定時制の学生と交換日記をしていたことだ。
一度も会ったことはなく、昼と夜に同じ机を使っているというだけで、
私たちは「ノート」で言葉を交わすようになった。
きっかけは机に忘れ物あって、私がメモを残したのだと思う。
それに彼が反応して返事を書いてくれた。
それから私たちはノートで言葉を交わすようになった。
何を書いていたのかは忘れてしまったけれど、
顔も知らない相手との交流はとても楽しかった。
カセットテープに好きな音楽を入れて、交換したこともあった。
たしか彼が録音してくれたのはユーミンのアルバム「14番目の月」だった。

もちろん、それきりで、ずーーっと忘れていたのだけど、
たぶん、「最後の春休み」が彼を彷彿とさせてくれるのだと思う。

もしもできることなら、この場所に同じ時間に
ずっとずっとうずくまっていたい
もうすぐ別の道を歩き
思い出してもくれないの
そよ風運ぶ 過ぎたざわめき
今は春休み 今は春休み 最後の春休み

荒井由実「最後の春休み」




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