2024年上半期自選短歌10首
2024年上半期自選短歌10首/白川侑
いっせいに大人の服を着せられて時間をかけて着こなしていく
はぐはぐとビッグマックをほおばって強がるための栄養とした
ビルだけが燃えていく朝 いつものように制服のボタンをとめる
「マイペースなあなたらしくていいね」って10%くらいの肯定
ジャスミンが香るさみしいカルピスをテトラポッドのうえで飲む夏
なんとなく作ってあげたハイボールを濃いと言いつつ薄めない父
切るたびにwatermelonのwaterが滴りおちて夏が冷えゆく
目玉焼きにはソースだとか醤油だとか最後の日まで言い合っていた
マグカップにいまもあなたの温もりが残って二杯目のマンデリン
きみだけが生きる意味だと言いながら刃物を探すあなたの右手
このnoteを読んでわたしに興味を持った、
そんな素敵な方にはこちらを……
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