大山道 矢倉沢往還4 曽谷宿→関本宿
大山道を歩こうと調べていると、東海道の脇往還と同じルートで、矢倉沢往還と呼ばれ沼津宿まで続いていた事が発覚。山岳信仰よりも街道信仰が厚い私は、大山よりも沼津を目指したくなってきました。どちらを目指すか、夫婦で歩きながら終点を考えることにします。
2024.05.04
1.スタート地点まで
只今の時刻は05:51。
昨日は街道仲間と日光御成道を本郷追分から赤羽まで歩き、朝の10時頃から椅子の無い店→屋根のない店→椅子と壁が無い店を、6時間弱飲み歩いていました。
歩く事が飲む為の手段になっており、街道の神様に怒られそうな一日の記録はこちら↓
秦野駅を下車する人の半数近くがハイカーでした。
ゴールデンウィーク、丹沢の山々を訪れるのでしょう。
まほろばの泉。
地下50メートルから汲み上げた丹沢の山々が育んだ地下水です。
2.曽谷宿
今まで天気に恵まれず、拝む事が出来なかった富士山が前方に見えてきました。
にこにこパン工房。
テラス席で朝食、揚げたてのカレーパンと、塩クリームパンが絶品でした。
玉ねぎの目は食べることが出来るそうです。どんな風味なのか気になります。
3.千村宿
この付近、いまは住宅地で跡形もありませんが、茶屋・芝居小屋・饅頭屋があったそうです。
矢倉沢"裏"街道。
この看板に謎解きの様な大切なヒントが隠されているとは、後々に気づきます。
送電線を目の高さで見る経験って、なかなかありません、迫力があります。
全国各地に張り巡らされた送電線網があるお陰で、停電の無い快適な生活が送れている、そんな事を景色を眺めながらぼんやりと考えてました。
梨畑とぶつかった辺りから、突然道が荒れ出します。これは人が通っていない道だなと、少し嫌な予感がしましたが、この先にGoogle MAPに出ている史跡もあるので大丈夫だろうと、草を掻き分け前に進みます。
ここで、今まで歩いた中での街道歩きの山道、悲惨な思い出ベスト3を紹介します。
▽第三位
西国街道 浮野峠 山口県防府市
朝から土砂降りで、人があまり歩いていない様な感じの峠道。倒木が多く雑草も生え放題、雨で薄暗く視界が悪く、目印のテープも探し出せず引き返しました。
▽第二位
三国街道 三国峠 群馬県みなかみ町
台風接近に伴う雨と、雨具から漏れてくる雨水による体温低下、そして何よりも木の上から降ってくるヤマビルとの戦い、宿で靴を脱ぐと7ヶ所も血を吸われてました。
▽第一位
西国街道 大山峠 広島県 東広島市
広島県は土石流多発地帯。道中、峠の近くの自治会長に聴いても大丈夫みたいな感じで、登山道の看板に注意書きも無く安心したのが悪夢の始まり。
無事峠を越えた先に土石流跡2ヶ所、背丈程の藪の中を掻き分け、急斜面の獣道を歩き、蜘蛛の巣だらけになり、這いつくばって下山しました。
4.橋を作る
踏切を渡り、雑草が生い茂る道を進み、目の前の四十八瀬川を越えれば国道246号に合流、と思ったら橋がありません。
えっ、遮断機付きの踏切まであってその先の道が途切れている事があるなんて…
上の画像の左奥対岸の、右斜上に昇りの階段がありますので、その付近に橋があったと思われます。流れが早い川なので、大雨で流されたのでしょう。
付近には橋がないので、この付近でなんとか渡るか、引き返すかしかありません。
一番川幅が狭い場所まで行き、家内が石の上を飛び越えて行こうとしたら、滑って落ちてしまい一旦退散。
濡れたので裸足で渡ろうと靴を脱いでいたら、靴下にヒルが二匹ウヨウヨ動いてます。噛まれる寸前に引き剥がし、裸足で渡るのは断念。
石を積んで石橋を造るか、倒木を探し仮設橋を作るか、周囲を物色し丁度良い倒木を発見。
川幅が一番狭い場所のため、流れが早く何度か木が流されかけましたが何とか成功。
学生の頃土木を学んだ効果が発揮されました・・・・
渡った後がまた大変。
上の画像の奥の、一番川幅が狭い場所に仮設橋を架けて渡り、そこから手前に向かい、幅20㎝位の足場を壁に這いつくばりながら進み、最後に2mくらいの高さの壁を腕力でよじ登り移動に成功。
いやぁ~参りました・・・・
先程紹介した上の画像の看板。
右下に✖️マークがあるのですが、通過できない事を伝えていたのでした。
先ほど通った道ではなく、上の画像の道標にある頭高山経由で歩くと、山を昇りますが四十八瀬川を渡らずにこの場所に辿り着ける事が今更ながら判りました。
この場所はフォトスポットの様で、3名がカメラを構えていました。
5.松田惣領宿
埼玉県に住んでいると、富士山は彼方に望む高さに見えます。
神奈川県西部に来ると、富士山は目の高さに見えます。
静岡県に入ると、富士山は見上げる高さになるのでしょうね。
足柄峠を越えた後が楽しみです。
街道歩きの達成感は、時代と共に変化していると思われます。
江戸時代から変わらない達成感は、一里塚・次の宿場の入り口・川越え・峠越え・信仰の山々など、今も感じる事が出来ます。
明治以降の達成感のひとつに、ご当地の鉄道会社があります。
駅の看板のデザインや通過する車両など、松田惣領宿に入り、JR東海の管轄に入りました。この先は駅や車両が楽しめます。
6.酒匂川
酒匂川(さかわがわ)。
丹沢から相模湾に注ぐ、相模川に次ぐ神奈川県内第二位の河川。
東海道を江戸に向かって歩くと、小田原宿を出てから最初に渡る大きな河川、相模湾河口まですぐなので、河川敷はかなり広かったです。
昨年の三月に、朝箱根を出て雨の中東海道復路を歩いた時の記録です↓
箱根を出て小田原宿の手前から昼過ぎまで結構な量の雨が降り、夕方にようやく太陽が顔を出し、街道をふり返った際に見えた富士山が印象的でした。
詳しくはこちら↓
この付近は水路が張り巡らされています。農業用水だと思われますが、さほど田畑がありません。
農地から宅地への用途変更が進んだ影響かと思われます。
街道歩きで水路が多いと感じた地域は岡山市。
岡山市内の水路の総延長は4,000㎞もあり、日本屈指の水路の長さです。
実際に歩いた時の画像↓
元々は農業用水として張り巡らされていましたが、宅地化が進み今では住宅地の中に用水があります。
その影響か、少し古い記録ですが県の調査によると、2013年からの4年間で1,562件の転落事故が発生し108人が死亡したそうです。
岡山市周辺を歩いた時の記録はこちら↓
宮台のお地蔵さん。
金色に輝く地蔵、道端に祠の中にガラスで守られて立っています。
じゃこ瓦が、”おやつ”にも”おつまみ”にもなる絶妙な味でした。
7.関本宿
さすが金太郎、熊の上に跨り、猿・兎・狸を従えています。
伊豆箱根鉄道・東海道線・宇都宮線を乗り継いで帰宅します。
次回は足柄峠を越えて、終点の沼津宿まで向かいます。
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